いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「TOKYO GIRL'S LIFE 〜絶対に失恋しない唯一の方法〜」菱田愛日(メディアワークス文庫)

TOKYO GIRL’S LIFE―絶対に失恋しない唯一の方法 (メディアワークス文庫)
TOKYO GIRL’S LIFE―絶対に失恋しない唯一の方法 (メディアワークス文庫)

出来る女として後輩から憧れられるけど、仕事ばかりで恋がお留守な編集者・遙希。
恋愛に絶対的な自信があるけど、最近気になる人には冷たくされている腰掛けOL舞衣。
プロ演奏家という夢が諦めきれないけど、自分を卑下してばかりのフリーター佳奈子。
東京の片隅、一軒のBar[シュガー&ソルト]で、タイプの違う3人の女の子たちが出会う。それぞれに悩みを抱える彼女たちの間に芽生えるのは、果たして友情なのか、それとも――?
頑張る女の子必読。東京で暮らす女の子達の等身大物語。


思った通りばっちり“女子”の話だった。でも予想外に恋<友情の話だった。
女子のコミュニティを覗き見るという行為は、好奇心と怖いもの見たさと下心が入り混じった、ちょっとした秘密の花園を見るよな奇妙なワクワク感があってそれだけで面白いのだけど、本作はザ・女の争いといったドロドロした感じもなく、社会人なら共感できる話も多く、予想以上に入り込めて読書時間が短く感じた。
共感できたのは三人の中でもメインだった遥希。仕事では割を食ってばっかりで恋も億劫、あー……。なんだか一緒に酒を飲みたい気分に。逆に女子力を武器にする舞衣なんかはもう完全に未知の生物。女の子こわいわーなんて思いながら読んでいた。もう一人の佳奈子は、視点も少なく二人に憧れてばっかりなのでよく分からなかったが。
話は三人の出会いと遥希の久々の恋愛模様を軸に描かれるのだが、お互いを疑いや打算の目で見ていた出会いから、馬鹿を言い合って飲み合えるようになるまでの小さな出来事の積み重ねに、心が温かくなったり少しジーンとしたり出来るいい話だった。
一つ言えることは……三人とも婚期遅れそうだなーw



最後はテツの自爆的励まし術に泣いた。あんた漢やで。