いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「クロス・エデン2 魔法王国ミシュリーヌ編 (後)」吉野匠(このライトノベルがすごい!文庫)

クロス・エデン2 魔法王国ミシュリーヌ編(後) (このライトノベルがすごい! 文庫)
クロス・エデン2 魔法王国ミシュリーヌ編(後) (このライトノベルがすごい! 文庫)

リアルワールドに魔法が飛び交い、剣の音が響く。オンラインRPG『クロスエデン』の世界が、現実を侵食し始めたのだ。野望を抱く魔導師・バルドールに命を狙われながら、浩介と仲間たちは少しずつ真相に近づいていく。王女セシルの運命は? そして浩介に秘められた力とは――。実力派作家・吉野匠が贈る、サイバーファンタジーの新シリーズ。第一幕・魔法王国ミシュリーヌ編、ここに完結!


思いっきり裏切られた! いや別に悪い意味じゃないけどね。
1巻の終わり方からして一気にシリアスに針が振れるものだと思っていたら、予想に反してかなりのラブコメ寄り。
リアルとゲーム世界が繋がった理由やバルドールの目的、浩介の夢の秘密までちゃんと伏線回収されているが、そっちはおまけと言わんばかりの女の子たちの三つ巴。特に後半はプチ修羅場の連続で、どの娘も自分がメインの時に他の子が近付くと、それぞれの表現でヤキモチを妬く姿が大変可愛らしい。ただ、こういう展開なら篠崎も丁寧に扱って欲しかった。デレるのがあっけなくて拍子抜け。
コメディの面ではイケメン超人オタクの瞬の独壇場。冷酷とも言える現実的な考え方と二次元まみれの物言いのギャップが面白い。小学生相手にその励ましはねーよw
期待していたものとは全く違うものが出てきたが、その驚きも含めて面白かった。これが魔法王国ミシュリーヌ編だから、別の国編も出る?