いつも月夜に本と酒

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「星を追う子ども」あきさかあさひ 原作:新海誠(MF文庫J)

星を追う子ども (MF文庫J)
星を追う子ども (MF文庫J)

父の形見の鉱石ラジオから聴こえてきた不思議な唄を忘れられない少女アスナ。そんなアスナの前にある日、アガルタという遠い地から来た少年シュンが現れる。二人は心を通わせるが、シュンは突然アスナの前から姿を消してしまう。「もう一度あの人に会いたい」と願うアスナの前にシュンと瓜二つの少年シンと、妻との再会を願いアガルタを探し求める教師モリサキが現れる。そして開かれるアガルタへの扉。3人はそれぞれの想いを胸に、伝説の地へ旅に出る――。それは、“さよなら”を言うための旅……。気鋭・新海誠監督がおくる劇場アニメ待望のノベライズ版!


全体的には暗い空気と少し期待が入り混じった新海作品らしい雰囲気。
ただ、映画を観ていないので違いはわからないけど、この内容でアスナ(小6)がメインなのね。モリサキ(おっさん)がメインじゃないんだ。
はっきり言って主人公のアスナが何をしたいのか全然わからないまま終わった。
子供のころに感じる漠然とした不安と、出会いによって変わる人生や考え方なんかがメインテーマなのかな? その割には変化が見えるようなアスナの心情描写は少ないような。
一方で、モリサキの描写には読み応えがあった。
変わらぬ愛を貫く信念や不器用な優しさがある反面、目的の為なら悪くも狡くもなれるという人間臭さが滲み出ていて、共感するところがいっぱいあって、ジーンとくるシーンもいくつもあった。
新海作品の雰囲気を感じつつモリサキを読む作品かな。