いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「天帝学院の侵奪魔術師 〜再臨の英雄〜」藤春都(HJ文庫)

天帝学院の侵奪魔術師<ドメインテイカー> ~再臨の英雄~ (HJ文庫)
天帝学院の侵奪魔術師<ドメインテイカー> ~再臨の英雄~ (HJ文庫)

<英雄>と呼ばれる大魔術師アストは、ある時、全く魔術が使えなくなった。そんなアストに、国皇セドリックから、妹姫リトフィアの護衛のため魔術師学院に潜入してくれと頼まれる。食堂で下働きをしつつ、生徒として編入されるアスト。魔法が使えなくなった原因を探りつつ、刺客と戦うアストは、やがて魔術の根源にも関わる、重大な秘密に近付いていく。


普通というか地味というか。
「Lv.99、MP.0」の主人公が正しくオレツエーでアクションの爽快感はなかなか、学園生活を送りつつ不穏な空気を匂わして、大事件に展開していくストーリー構成も悪くない。ハーレム展開にできる素養もある。
なのにイマイチ盛り上がらない。
最大の原因はヒロインはかな。
メインヒロインはドジっ子で子犬属性というなかなかのポテンシャルを秘めていながら、常におどおどしていて自己主張がないので全然魅力的に映らない。もう一人のヒロインもデレる過程はいいのに、序盤が陰湿過ぎてで大きくマイナスからスタートでそれを払拭できていない。
アクションシーンも主人公の活躍は良くても周りの景色はあまり浮かんでこなかったりするし、要するに構想・構成はいいのに文章が淡泊なんだろうなあ。
これの前に読んだのが昨日の『リップスファントム』だったから相対的にそこそこ面白く感じたが、積極的に続きを読もうという気になれないな。