いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「のうりん5」白鳥士郎(GA文庫)

のうりん 5 (GA文庫)
のうりん 5 (GA文庫)

現代動物調教研究同好会――通称『どうちょけん』。
それは私、良田胡蝶が新たに創部した、人と家畜の心を通わせるための部活である。
古来より人類は動物を伴侶とすることによって栄えてきた。畜産なくして人類の繁栄はなく、 だからこそ……ん〜? どうちたんでちゅか若旦那?
おなかペコりんでちゅかー? ママが食べさちてあげまちゅね〜(ハート)
……そんな私の前に立ちはだかる黒い影! 飛騨高山のライバル校、過激な動物愛護団体、そして……謎のサングラスの男!! 貴様は――!?
人は虚無の畜産にぬくもりを見つけられるか!? おっぱい大増量で贈る農業高校ラブコメ、緊迫の第5弾!
――君は、牛の涙を見る。


廃www牛www
口絵から飛ばしてんなーと思ったら、本編は真面目でドシリアスだった。あれ?これ本当に『のうりん』?
そんなわけで5巻は表紙通りにおっぱいさんを畜産をメインに据えて人と動物の関わり方、命に対する倫理的な観点まで掘り下げる問題作。
前半は継とおっぱいさんによる農業・畜産薀蓄劇場のような様相だが、後半になるにつれてその倫理的な話へと移行。家畜の扱われ方からペットにまで話が進み、色々とショッキングな事実が告げられていく。特に獣医の話はほとんどの人が引くんではなかろうかというレベル。
でも、あくまで問題定義に留めている点に好感が持てる。
耕作も良田も自分なりの答えを出したようだけどそれは表に出さず、しかも遺伝子組み換え作物を例にして物の見方・捉え方によって全く意見が変わってくるという実例を出した上で問題定義しているので、これを読んでどう感じたか、何が正解なのか、自分で考えることを促す作りになっている。綺麗事の主義主張を押し付けるだけのものが多い数多の親書よりもよっぽど社会的は作品かもしれない。
いやはや『のうりん』でこんなに考えさせられるとは思ってもみなかった。これまでとは違った観点で多くの人に読んでもらいたい作品。


次巻、メリケン産の脂肪の塊が登場。今回の乳房さんといい林檎の敵が増えていく一方ねw てか巨乳率高くね?