ブリューヌの動乱より半年。客将としてライトメリッツで過ごすティグルは、ジスタート王の要請を受け、霧と森の国アスヴァールへと旅立つ。密使としての航海中、ティグルは薄紅色の髪の幼げな少女と出会う。立派な作りの斧――“崩呪の弦武”ムマを持つ彼女こそ、放浪の戦姫オルガ=タム。なりゆきで彼女と同行することになるティグルだったが、アスヴァールの地にはさらなる“運命の出逢い”が待っていた。容姿、人望、才能――そして確かな野心を持つ青年の名は、タラード。一将でありながら“王”の形を平然と説く青年に、ティグルの胸に去来するものとは……？ いくつもの邂逅が新たな伝説を刻み征く！ 最強美少女ファンタジー、待望の第２部開幕！
第二部開始。
分かっていた事だけど、他のラノベ（特にMF文庫J作品）とは毛色が違うということを再認識。始まって早々、王の要請一つをとってその裏にある狙いや企みについて考察を始めちゃうんだもんなあ。
そんなわけで王の要請で赴く内戦中の隣国が新たな舞台。エレン達の補佐なし、本格的にティグルの戦いになる予感。
前半はそこまで旅路で、七人目の戦姫オルガとティグルの旅の補佐役となる船乗りマトヴェイとの出会いが描かれる。
最後の一人は幼女か、、、お約束だなあ。でも過度に愛でもしなければ主人公の立ち位置が先生というのがこの作品らしい。これまでの何人もの戦姫と合ってきたティグルだからこそ出来る役割で、自分の成長にも繋がる しかし、なんだかんだであっさり気に入られているティグルさんマジハーレム王ｗ
と、当然メインはオルガだけど、ちゃんとおっさんキャラを出してくれるのが嬉しい。そこかしこでいい味出してくれる強面のマトヴェイさんの活躍には今後も期待。
そして後半は新たな出会いと前哨戦。
タラードは第二部の中心になりそうな重要人物で後々語るだろうから置いといて、待ってましたの戦記の醍醐味、砦の攻防。
準備段階での頭の回転と冷静さに窮地の度胸と一回り大きくなったティグルが頼もしくてしょうがない。そして忘れたころにやってくるファンタジー要素。魔物ってこういう存在もありなのか。ということはジスタート王はもしかすると……。
MFにしてはページ数が多い上に文字数も多く読み応えも十分（MF文庫Jの平均の1.5倍くらい文字数がありそう）で、新章導入部とは思えない濃密さだった。その中で色々な面で一皮剥けたティグルの姿が見えて大満足な一冊。
次はｖｓ大勢力＆救出作戦。戦力的に劣っている上に地の利が生かせない状態でどう立ち回ってくれるのか、とても楽しみ。
読み終わってから紙面が黒いなーってペラペラめくっていた時に初めて挿絵がないことに気付いた。全く違和感を感じなかったや(^^； ５巻の挿絵を担当したマンガ版の人は忙しかったのか評判悪かったのか。その前によし☆ヲ氏はまだ体調不良なのかと思ってググったら秋のサンクリに参加してるじゃん……これはもう絵師交代でいいんじゃないでしょうか。
