いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「フルメタル・パニック! アナザー6」大黒尚人(富士見ファンタジア文庫)

フルメタル・パニック! アナザー6 (富士見ファンタジア文庫)
フルメタル・パニック!  アナザー6 (富士見ファンタジア文庫)

今明かされる、過去と現在を結ぶミッシングリンク――
〈レイブン〉に隠されていた一三年前の秘密が、達哉やアデリーナをさらなる戦いへと誘う。
一方、無人ASを巡るジオトロンの野心は、水面下で世界に様々な波紋を引き起こしていった。その尖兵として暗躍する、菊乃や旭たち。
インドネシアの密林、そしてカルパチアの雪山――うち続く新旧D.O.M.S.の対決の中で、達哉はある決断を下す。それは『戦士の回廊』へと至る、決定的な一歩となるのだった。
疾風怒濤のSFミリタリーアクション、新章開始!!


おお! 進んだ。
初期の訓練や日本での戦闘はともかく、ここ数巻は本格的な戦地へ行っても煮えきらなくて、状況と主人公・達哉の心境のギャップに違和感が埃のように積っていく展開だったのが、この巻でようやく少し払われた。二の足ばかり踏んでいた達哉がようやく自分の足で前に進んでくれたと実感できてスッキリした。
それに、達哉の技量とモチベーションの伴ってここにきてようやく『フルメタ』らしくなってきた気が。戦闘というか作戦の質がかな? かなり条件が厳しい作戦の中で、描かれるのは個対個。これこそフルメタでしょう。やっぱり主人公のやる気って大事だね。
また、ヒロインレースにも動きが。
それ以上の感情はないと宣言したリーナと、言葉は悪いが初めての共同作業までしてしまった菊乃のどちらがメインヒロインなのか。これだけだと言うまでもなく後者だよね。でもリーナの反応は言葉と裏腹なので、素直になるタイミングで逆転の可能性ありか……って本当はメインヒロインのはずが、どうしてこんなことに?
敵の戦力がさらに増強されるフラグが立って、そこに第三勢力の横槍も入ってとかなり気になるところで終わていて、続きが非常に気になる。
……え? 達哉がやっとスタートラインに立ったと思ったらもう佳境なの?(賀東氏あとがき参照)