いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「七人ミサキも恋をする」丸山英人(電撃文庫)

七人ミサキも恋をする (電撃文庫)
七人ミサキも恋をする (電撃文庫)

ごく普通の少年・臼谷伊吹が、ある朝目覚めると、枕元に二人の美少女がいた。寝ぼけ眼の伊吹は夢だと考えるが、そうではないようだ。しかも彼女たちと話しているうちに、美少女が七人にまで増えてしまう。え? 羨ましい? それは間違いだ。なにしろ彼女たちこそ、名高き悪霊集団「七人ミサキ」なのだから……。
自分を殺そうとする可愛く魅力的な悪霊たちと、なんとか助かろうと足掻く少年の、奇妙でコミカルな同棲生活が、ここに開幕っ! 傑作『隙間女(幅広)』の著者・丸山英人が贈る、愉快な物語。

冴えない少年と七人の悪霊美少女とのラブコメ
悪くはないんだがなんというか、薄い。
七人は多すぎた、というより七人全員出すことに囚われすぎている。
一途な大和撫子・郁やロリ可愛い路花など可愛いキャラはいるのだが、主人公・伊吹を含めてそれぞれのキャラクターの背景がさわりしか説明されないので、感情移入しにくい。続けるつもりならキャラクターを絞って掘り下げた方が良かった。
それに伴って心理描写も足りない気がする。
郁が伊吹に惚れた理由や、あれだけ怖がっていた伊吹が心変わりした理由がイマイチ伝わってこないので、ラストの必死もなんだか遠くの出来事のよう。やっぱり直接的でも間接的でも、心の動きが分からないと物語として面白みに欠ける。
やっぱり短編向きな作家さんなのかなあ。短編ならこの説明の少なさと場の雰囲気作りの上手さが生きるんだけど、長編だとどうも薄味になる。



初希さんが没年の割に格好も名前もハイカラすぎるんですがそれは。