いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「犬とハサミは使いよう8」更伊俊介(ファミ通文庫)

犬とハサミは使いよう8 (ファミ通文庫)
犬とハサミは使いよう8 (ファミ通文庫)

「ちょっと、この子たちに倒されてみませんか」突然現れた、書林社副編集長を名乗るナズナと彼女が引き連れた三人の人物。ナズナによる、紅葉の作品が平凡に堕したという指摘に愕然としていたところに、さらに事態が急変! 何と、かつて紅葉たちが住んでいた監獄島を占拠したと告げられたのだ! って占拠って何!? テロリストなの!? 相手の目的も分からぬまま、ともあれ島に乗り込んでいった俺たちを迎えたのは――。大人気不条理コメディ、第8弾!!


新進気鋭の有名作家vs副編集長率いる若手作家、三対三の戦いが今始まる。開幕戦は監獄島。紅葉の番。
……って、いきなり戦争みたいなのが勃発しちゃってるんですが。勝負って執筆勝負じゃないの? まあ、この作品は“執筆”も殴り合いなんだけどさ。でも、ここまでのガチバトルは予想してなかった。
この作品のバトルと言うと、その滑稽さが笑える所謂出オチの要素しかないから、バトルの尺が伸びれば伸びるほどつまらなくなるんだよね。そういえば前の監獄島の時もこんな感じの話だったっけ。この島は鬼門だな。
そんなバトル一辺倒な中で、色々な蔵書の仕方と図書館の可能性(と言う暴挙)を示し、笑いを提供してくれた水無川真秀さんには敵ながら感謝。そうか床と天井、その手があったか(ねえよ
悩む和人と怒る紅葉の出した答え+衝撃のラストで読後感は悪くないが、全体的には面白い巻ではなかった。
今回が紅葉回ということはこれがあと2回。マキシの扱いからして彼女は飛ばされる可能性があるけど、最低あと1回あるわけだ。もうバトルはお腹いっぱいなんですが(^^;
夏野回は違う戦い方であることを願う。