いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「マグダラで眠れ V」支倉凍砂(電撃文庫)

マグダラで眠れ (5) (電撃文庫)
マグダラで眠れ (5) (電撃文庫)

炎を吐く竜を使い、カザンの町から脱出した騎士団とクースラたち。港町ニールベルクで各地から逃れてきた騎士団と合流し、起死回生を図ることになる。
しかし、ニールベルクにはある問題があった。神の祝福を授ける教会の鐘楼が無いのだ。製造が上手くいかず、壊れてしまうのだという。
そんな中クースラは、ふぇねしすの一族の手掛りを得る。新たな発見に高揚するクースラだが、騎士団から呼び出され、鐘を作るよう命じられてしまう。鐘の鋳造の失敗、それは即ち、“破滅”を意味していた――。
眠らない錬金術師の本格ファンタジー神に見放された町を舞台にした第5弾!


迷いは弱さに繋がるが、迷えることは幸福なのかもしれない。なんてことを思う、クースラ受難の回。
いやはや、常に主導権を握ってきたクースラが全く役に立たないなんて機会がくるとはね。
それに引き替え、フェネシスの頼もしさと言ったらない。冒頭の戦乙女の姿から最後の決断まで、これまでの受難の人生で培ってきた強さとカザン脱出の時に得た自信で、傭兵もクースラも引っ張っていく姿がたくましい。
そんな対照的な二人の様子もあってか、この巻の後半には段々とクースラがフェネシスの尻に敷かれてきているように映るという、予想もしなかった構図に。あれ?この関係性、どこぞの狼さんと商人さんに似てませんかね?w
そうれはそうと、、、所構わずイチャイチャしやがって! イチャイチャしやがって!(大事なこt(ry
二巻もかなりのイチャイチャ回だったが、今回はフェネシスの自己主張も強くなっているので対等でイチャイチャ。支倉作品特有の回りくどい睦言がいい塩梅の甘さを醸し出す。それに挿絵がほぼ二人だけで構成されているというおまけ付き。……あー羨まし。
さて、またしても町にいられない状態での引きだが、これはイリーネとウェランドはついてくるのだろうか? 竜の製造とか諸々あるし、もしかして二人旅?