いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「神狼と見えざる手」川波無人(一迅社文庫)

神狼と見えざる手 (一迅社文庫)
神狼と見えざる手(一迅社文庫)

アリーリアとルゥ、たったふたりの盗賊ギルド“見えざる手”は、街のなんでも屋よろしく、しょぼい仕事に明け暮れていた。とある貴族からの依頼で、古びた屋敷を探索するふたりだが、見知らぬ女魔術士の襲撃に遭い、あえなく撤退する。それを聞いて憤慨する貴族の態度を怪しむアリーリア。ふたたび屋敷へ戻ったふたりは、またもや女魔術士と遭遇するも、ふたりの探している物が秘宝だと知らされて――。
盗賊ギルドの迷コンビがくりひろげるドタバタ冒険ファンタジー

薄い!
ヒロインの胸が……じゃなかった、ストーリーが。いや、胸も薄いけど(追い打ち
ご都合主義もここまで来ると清々しい、と思うくらいにストーリーが平坦でサクサク進み、登場人物の口調がキャラクター問わず一様に軽いという、ある意味正しく“ライト”ノベルをしている作品。
……というより、舞台がファンタジーなだけで普通のラブコメよね、これ。
アホの子・アリーリアと過保護な兄貴分・ルゥの幼馴染みコンビと、後から加わる女魔術師のラフィによる軽快な会話劇がなかなか楽しい。そりが合ったのか会ってすぐ仲良しなアリーリアとラフィの女子トークに、ラッキースケベ率の高いルゥの活躍?などもあり、ラブコメの楽しみは一通り揃っている。まあ、戦闘中の会話まで緊張感が無いのはどうかと思うけど。
コメディとして読めばちょっと量は物足りないけどまあまあ。ファンタジーとして読むとズッコケるので注意。