いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「秋葉原ダンジョン冒険奇譚2」中野くみん(オーバーラップ文庫)

秋葉原ダンジョン冒険奇譚 2 (オーバーラップ文庫)
秋葉原ダンジョン冒険奇譚 2 (オーバーラップ文庫)

新層が発見されたことにより秋葉原ダンジョンに大きな注目が集まり、海外から名の売れた冒険者たちが続々と集まってきた――。新層に挑戦したくてうずうずしていたショウマだったがそれを阻むメイド・ユキが立ちふさがる。
「ここから先はね、いままでみたいな遊び場とは違うんだにゃ。10年早いにゃ。」
圧倒的な実力差をみせつけられたショウマは、あきらめきれず制止を振り切り、ダンジョン新層へと潜る。そして、案の定全滅の危機に瀕してしまう――なんとか命からがら逃げ帰ったはいいが力不足を痛感し、自分たちに足りないものを探し始める。秋葉原を舞台に繰り広げられるダンジョン探索記、第2幕!


主人公パーティーが超難易度の新ダンジョンに無謀にも突っ込み、全滅寸前で間一髪でユキさんに救われてお説教される、という話だったんだが……
生い立ちに秘密があるらしい主人公の異常な危機感の欠落で話を広げるのは分かる。でも、パーティーメンバーに伝染させる必要はどこにあったの?
「命を捨てるな、残される身にもなれ」という極めて当たり前のことを説かれているのに、誰一人として理解しないという異常事態。パーティメンバーの思考が誰一人理解できず、何を悩んでいるのかわからなくて読んでいて気持ち悪い。感情移入とか共感とか、そういうレベル以前の問題。
一人がここまでの異常性を有しているなら他のメンバーでカバーする様な展開にしないと、冒険譚として成り立たないでしょ。ホラーやサイコならいいけど。
また、話としては繋ぎの回だったため、ラブコメはこれといった進展はなく、前回の様な緊張感のある戦闘もなく、他に楽しめるところがないのも痛い。
A級ダンジョンの秘密やラストで出てきたモンスターなど気になるところはいくつかあるけど、キャラクターというか作者の思考についていけないので、続きを読む気がしない。ここでギブアップ。