いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「蒼井葉留の正しい日本語2」竹岡葉月(富士見ファンタジア文庫)

蒼井葉留の正しい日本語 (2) (富士見ファンタジア文庫)
蒼井葉留の正しい日本語 (2) (富士見ファンタジア文庫)

ラノベ作家を夢見て「鳩居寮」へとやって来た久坂縁。彼が出会ったのは、辞書と日本語を愛する少女、蒼井葉留だった。ついに迎えた斎館学園高等部の入学式当日。学園では変人扱いされたくない、と不安がる葉留だが…。
「よし。なら簡単だ葉留。日本語について語らなきゃいい」
「…そ、そんな…なんて…ひどい…」
悲壮な覚悟を胸に入学式に赴く彼女を見送りつつ、自分もオタク仲間を作りたいと意気込む縁。だが、彼の隣席になったクール系美少女・櫛貴六花は大のオタク嫌い!!早速対立する二人だったが、彼女には必死に隠していた「秘密」があり―?

新学期編。縁の隣の席になった女子・六花の物語。



日本語オタクことワナビキラー蒼井葉留さん、今回の標的は「歌詞」。相手が縁でなくても変な日本語には容赦なし。ザックザックと切り込んでいく。
……って、激甘乙女チックなポエムよりも、そこから温泉街や山椒魚という謎の答えを導き出す君の思考回路の方が不思議がいっぱいだよ!w
本命の縁の小説の方は、オープニングで一笑い取った後は鳴りを潜めてしまって残念だったが、六花の歌詞が十分に補ってくれて、葉留の悪意のない毒を堪能できた。
そんな痛面白いコメディから、シリアスな愛憎劇になるのは1巻と同じ流れ。
事件は初めから犯人が丸わかりなので、段々素直になっていく六花の変化を読むのがベターな楽しみ方かな。それと、おかわりまである縁の主人公らしい“男の子”な活躍も良かった。
え? 売れないと打ち切り? そこそこ売れてる作家でもこんな扱いなんだ。世知辛いなあ(^^;
1巻から何度も匂わせた「凜花さん」を出さないまま終わるのは勘弁してください。



新明解でたー
あの穏やかな葉留をして尖がっていると言わせる国語辞典界の異端児。私も愛用しています。