いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「モノノケミステリヰ」てにをは(MF文庫J)

モノノケミステリヰ (MF文庫J)
モノノケミステリヰ (MF文庫J)

「めいたんていのお通りだ。ひざまずけ」
さあさ、お立ち会いお立ち会い。御用とお急ぎでない方は、ゆっくりと見ておいで。東京都新宿区神楽坂七丁目に、とある探偵社がある。月岡春足、鉄輪弥人、そして南方うつひ。彼らが巷で噂の妖怪少年探偵團である。妙な、おかしな、理屈の通らない、不可解な現象に悩まされているそこのあなた! この探偵社に来ればたちまちのうちに解決と来たもんだお立ち会い!人気クリエイターてにをはが贈る妖怪探偵活劇! さあ奇天烈怪奇の幕開けよ!やんややんや!


まったくつまらないわけではないが、極めて薄味。
恐らく昭和初期くらいの時代設定なのだろうが、情景描写が下手でそういう雰囲気は出ていない。また、舞台の設定が疎かなので、話に奥行きがない。キャラ達がただ駄弁っているだけのよう。
肝心の妖怪ネタもどこかで読んだことのあるような話ばかりで目新しさがまるでない。有名どころで書くならそれなりに工夫して自分の色を出さないと。第三章の弥人の話なんて、電撃の某作品のほとんどパクリじゃないか。
それでもキャラクターは悪くなかったが、他の要素を度外視してそれ単体で楽しめるほどの強烈な個性や魅力を感じるところまではいかなかった。
大好きな妖怪ものということで期待したのだけど、その雰囲気すら味わえない凡作だった。