いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「CtG ―ゼロから育てる電脳少女―」玩具堂(角川スニーカー文庫)

CtG ─ゼロから育てる電脳少女─ (角川スニーカー文庫)
CtG ─ゼロから育てる電脳少女─ (角川スニーカー文庫)

VRMMOゲーム「CtG」で、春日井遊は初対面のミーファと気楽に〈結婚〉する。でも娘のハルハが生まれて、まさかの子育てスタート!? しかも「きたよ、おとーさん!」「く、釘宮です」なんと現実世界にも、実物のハルハとミーファの中の人・釘宮美遥が登場! 実はハルハは秘密の計画で創られた“新しい人類”だったのだ!! 遊と美遥は、現実とゲームの両方で、人類の未来に関わる(?)壮大な少女育成に巻き込まれて!?

子ひつじは迷わない!」の玩具堂先生の二作目。
供給過多でもう完全に食傷状態のMMORPG作品だが、あらすじによるとメインは子育てのようだし、作者の前作も面白かったので購入。
率直な感想としては、もっとほのぼのとした話を想像していたら思いの外殺伐とした話だった。
それでも中盤は面白かった。
ゲームの説明と主人公の置かれた状況の説明に追われた前半を終えてリアルの話がメインになった中盤は、ネット弁慶なヒロインと何度も衝突しながら少しずつに距離が縮まっていくところや、普通の幼児とも勝手が違う二人の子供・ハルハの世話に四苦八苦しているところは、独自路線を進んでいて良かった。
ところが、後半になるとバトルメインになってしまう。
愛でる対象のハルハが戦い始めてしまったところは、いわゆる“コレジャナイ感”が強く、主人公が戦い始めると世の中に氾濫している平凡なMMORPG作品と似たり寄ったりの内容になってしまった。
前述のとおり状況が殺伐としていて、バトルメインになりそうなので次は見送りかなあ。


この作品の出来が悪いわけでもないし、MMORPG自体が悪いとも言わないが、激しく「そういうのはもういいよ」という気分になっているので、似たような舞台では内容に一定以上のオリジナリティが無いと厳しい。