いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「モノノケグラデーション」持崎湯葉(ダッシュエックス文庫)

モノノケグラデーション 1 (ダッシュエックス文庫)
モノノケグラデーション (ダッシュエックス文庫)

人間の本質が「色」で見える高校生・十河春一はある夜、河原で格闘家も真っ青の戦いを繰り広げる謎の美少女に出会う。
少女の名前は小百合。人間界にまぎれ込んだ妖怪を監視する組織「休更月」に所属する、若きエースエージェントだった。
なりゆきで小百合に協力することになった春一は、世間を騒がす連続傷害事件の犯人、通称“栗毛少女”と呼ばれる妖怪を一緒に探すことに。妖怪退治の始まり始まり……のはずが、エースのくせに小百合は天然ボケ! 武器は何故か蕎麦打ち棒、ファッションセンスは0でコートの下は下着だけ!?
少年と少女が織りなすカラフルでちょっぴり切ないモノノケ青春グラフィティ、開幕!!

第十三回スーパーダッシュ小説新人賞・優秀賞受賞作



タイトルのモノノケの文字とあらすじの妖怪退治の文字に惹かれて買ったのだが、物の怪や妖怪の要素は極めて薄かった。残念。
内容は、ごくありふれたハーレム系青春ラブコメ
何故かモテるシスコン主人公に、妖怪退治の組織に所属する薄幸子犬系メインヒロインに、そこそこに個性があるサブヒロイン数名。軽い口調の主人公一人称視点で、王道のストーリー展開。どこをとっても教科書通りのライトノベルといった趣き。おかげで既視感もよーく覚える。この手の作品はダッシュエックスの前身スーパーダッシュよりもGA文庫に多いかな。
一つだけ変わった特徴?欠点?は乱発されるオヤジギャグ。これが寒い。とても寒い。
ワザとなのか本気で笑いを取りに行った結果なのかは不明だが、読書中に白けた微妙な空気を味わえたのは貴重な体験だった……かもしれない。
話としては極めて普通。そこにオヤジギャグのマイナス点で中の下か下の上くらいの評価。このオヤジギャグのセンスを笑いに昇華させる一手を考え付かないと、次は厳しいんじゃないかな。