いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「俺、ツインテールになります。9」水沢夢(ガガガ文庫)

俺、ツインテールになります。 (9) (ガガガ文庫)
俺、ツインテールになります。 9 (ガガガ文庫)

秋を迎え、陽月学園高等部で文化祭が開催。総二との仲が半公認となった慧理那に負けじとやる気を出す愛香たち。一方、テイルブルーのパワーアップを知り、葬式ムードのアルティメギル。そこで百合属性を持つ<死の二菱>隊長のティラノギルディは、兵士たちにツインテイルズ同士のキスを見せて士気を鼓舞しようと作戦を指揮する。だが、それを知ったトゥアールたちは、逆にその作戦を利用して総二をその気にさせようと企む。そんな折、再び姿を現した結翼唯乃は、テイルレッドではなく、その正体である総二とのデートを要求してきた――。


続いた!?
なんと珍しい。というか完全なto be continuedは今回が初めてか。
珍しいと言えば最初から最後まで元気の無い状態のままだった総二の様子も。 
過度のパワーアップの弊害やアルティメギルの一時休戦による緊張感の欠如などの理由が重なって、大きな問題はないが今一つ調子が出ない「なんとなく不調」がずっと続くモヤモヤする展開。
その所為か、ヒロインたちの各種アタックにも反応が薄いし、いつもの冷静なツッコミにもツインテール愛にもキレがないという、総二らしからぬ腑抜けぶり。
それでも最後はフェニックスギルディが焚き付けてくれて一瞬だけ盛り上がったのに、それまで空気を読まないことで笑いを取っていた死の二菱隊長・ティラノギルディが最後の最後に笑えない空気の読めなさを発揮すしてくれる。敵ながら愛すべきバカばかりでアルティメギルで嫌いなキャラいなかったのに、こいつは嫌いになりそう。無粋はいかんよ無粋は。
この巻単体では過去一番面白くなかった。でも、どん底まで落としたし、盛り上げるころは確実に盛り上げてきた過去の実績から、次は大きく飛躍してくれると確信している。