いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「アオイハルノスベテ3」庵田定夏(ファミ通文庫)

アオイハルノスベテ3 (ファミ通文庫)
アオイハルノスベテ3 (ファミ通文庫)

卒業しても『輪月症候群』を継続する方法がある。その情報を掴んだ浩人は柳沼とともに【スタンプ】の能力を持つ卒業生に会いに行く……予定が、葵やまひる、美帆も参加を申し出て、大所帯の旅行に発展! 男女で海、バーベキューに宿泊と一度目の世界では考えられない夏休みを過ごすことになった浩人。メンバーの誰もがハメを外して旅を満喫していたはずだったのだが――
「お前が、世界をやり直したのか?」。オールデイズ青春グラフィティ、再生の第三巻。

夏休みだ! 旅行だ! 水着だ!な3巻。
いつの間にか男子2女子3の5人組なってる!? 前作とは趣きは違うけども(恋愛的に一名空気だしねw)庵田先生はこの組み合わせが好きなのだろうか。
というわけで、夏休みの開放的な空気に若い男女が合わさればもちろんラブコメ、と思われたのだが、、、へビィだ。
それもそのはず、今回は満を持してメインヒロイン(多分)の大河内葵がメイン。1巻から明かされている彼女の過去と向き合えば当然こうなるよね。
そうなると頑張るのは主人公・横須賀……おい、頑張れよ(^^;
電車にやられバスにやられ、ラノベ主人公らしい鈍感力を発揮し、相変わらず周りの女子に助けられ。岩佐さん木崎さん、これのどこが良いですか?w
それでも葵の説得するシーンだけは良かった。理論も話の筋も滅茶苦茶で最後はプロポーズもどきになっていて苦笑ものだけど、何とかしたいという想いと情熱だけは十二分に伝わってくる。この言葉の拙さが高校生らしくて青臭くて実に良い。庵田作品の真骨頂。
一方でシリーズ全体のことに目を移すと、横須賀が追い求めていたもののいくつかがスルッと何気なく出てきて若干拍子抜け。もちろん一番大切な答えはこれから探さなくてはならないのだけど、もうちょっと何か情緒があっても良かったかなあと。
次は新学期かな? どんな波瀾が待っているのか。苦労して引っ張り上げたら明後日の方向に向かおうとしている人もいるし、すれ違いが起こる要素満載で怖いが楽しみ。