いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ロクでなし魔術講師と禁忌教典4」羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (4) (富士見ファンタジア文庫)
ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (4) (富士見ファンタジア文庫)

分かり合えていたはずの想いは、無残にも引き裂かれた。
「……実は、わたし、あなた達の敵」
「……う、嘘……嘘よ……そんな……」
天の智慧研究会の魔の手により闇へと堕ちたリィエル。システィーナの説得も空しく、リィエルは親友ルミアを誘拐し――。
一方、死の淵から復活を遂げたグレンは、アルベルトとの帝国軍コンビを再結成。反撃の狼煙を上げる!
「……行こうか。頼りにしてるぜ、相棒」
「抜かせ、誰が相棒だ。寝言は寝て言え」
かつての盟友と、囚われし少女たちの奪還を目指す!


熱かった。クサかった。面白かった。
瀕死からの奇跡の復活に始まり、昔の仲間と阿吽の呼吸の共闘。そして冷静沈着な仲間のクールな戦いと、熱血主人公のクサい台詞連発の熱い戦いへ。バトル少年漫画の王道のど真ん中を突き進む。王道と言う使い古された故に誤魔化しのきかない険しい道を、こんなに力強く全力疾走で駆け抜けられたら文句があるはずがない。ギャグでも死亡フラグでもない「ここは俺に任せて先にいけ」を読めるとは。アルベルトさんマジイケメン。グレンに至っては、あまりに熱血教師すぎて「ロクでなし」のタイトルに偽りありになりそうだったw
唯一難点を上げるなら、今回の敵・バークスと偽兄が戦闘中の説明台詞が冗長で、間抜けに映ることくらい。二人とも天の智慧研究会的にも作品的にもゲストと言う名の使い捨てだから大して気にはならないが。
ヒロインズの中で頑張っていたのはシスティーナ。そう、頑張っていたのは……。
何度も泣き顔を見せて初○○までしたというのに、一番大事なところで居ないからルミアとリィエルに持っていかれてしまうという。ルミア派なのに、あまりの報われなさに応援したくなってきた。
天の智慧研究会の計画が着々と進んでいることを匂わせるラストだったけど、次はどうなる?