いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「美少女とは、斬る事と見つけたり」入間人間(電撃文庫)

美少女とは、斬る事と見つけたり (電撃文庫)
美少女とは、斬る事と見つけたり (電撃文庫)

その美少女は人斬りだった。祖父の家に『刀』が飾られていて。それを振るう『性』を持ち。『力』があることは運命なのだと。彼女は信じて疑わない。かつて「事故」で両腕の機能を失った女子高生・春日透は、人を殺してみたいと願っている。世界に害を為す「超能力者」は一人残さず斬り殺す。辻斬りを邪魔する奴も全員殺す。そうして日本刀を口に咥え、彼女は今宵も獲物を探し回る。だがある日、彼女が一度殺し損ねた男が、復讐のために近づいてきて…。愛憎が交錯する、本格異能バトル!

傷つけたものを透明にする能力を持つ両腕が動かない少女・春日透と、姉を透の凶刃から助けた際に透明人間になってしまった明神明。この二人の視点が交互に入れ替わりながら話が進む異能サスペンス。(少ないが他のキャラクターの視点もあり)



見開き口絵のスカート半脱げ透ちゃんがちょーせくしー! ←本作のハイライト。
あらすじから入間先生のデビュー作『みーまー』に通じるものを感じて買ったのだけど……。
内容は実に猟奇的で、メインの視点なる二人の状況は常にスリリング。なのに文章から受ける印象は非常に淡泊。こんなにインパクトのある話で、よくここまで印象が薄いものが書けるなと変なところで感心してしまった。
最近の入間作品を全部が全部読んでいるわけではないけど、広く浅く書いているうちに内容も薄くなっている気がしている。しかも、今回はお得意のクロスオーバーも見当たらず、本当に「薄い」以外に感想がない。
『みーまー』の時のような読んでいて気持ちのいいものではないのに、なぜか引きつけられる文章。あの不思議な魅力はもう出てこないのだろうか。