いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「フレイム王国興亡記4」疎陀陽(オーバーラップ文庫)

フレイム王国興亡記 4 (オーバーラップ文庫)
フレイム王国興亡記 4 (オーバーラップ文庫)

テラを思うが故のソニアの“裏切り”により、暗礁に乗り上げるテラ港湾整備事業。土壇場に飛び出したノエルの一言がコータの窮地を救うが、依然状況は最悪のまま――。テラ再興への道筋は、フレイム王国宰相ロッテの協力が不可欠に。説得材料を集めるために奔走するコータだったが、無理が過ぎて倒れてしまい、パルセナで強制的に休暇を取らされる羽目に。パルセナで巻き起こるソニアの誘拐騒動、エミリの誘惑――片時の息抜きが浩太へ逆転のひらめきを与える!
「利の天秤が揺れているのならば……その天秤ごと壊せば良いと思いませんか?」
逆転に次ぐ逆転、最後に利を得るのは、テラか、フレイムか、ソルバニアか――。


あ、反撃はまだ先なんだね。
負け戦の後処理と慰安がメインの4巻。行楽地で羽目を外すコメディというライトノベルらしい内容にして、ガッツリ金融のこのシリーズらしくない内容。
と、その前に、
完全な負け戦を取り返しのつくところまで引き上げたのが、まさかのノエル。これには驚いた。
あらすじにもそう書いてあるけれど、持ち前のうっかりが浩太の反撃の起点になるだけだと思ったら、こんな大芝居で歴戦の商人を黙らせるなんてあまりにも予想外。ただの馬鹿だと思ってました。サーセンw 今回の彼女はその後も度々良い事を言って株を上げて……でも相変わらず行動はとてもウザい! やっぱりアホの子認識のままでいいや。
それはいいとして、今回の主題。
慰安旅行in『快楽と欲望の都』パルセナは、エリカとのプチデートやソニアと仲直り事件などイベント目白押しだったけど、一押しは浩太とエミリのバーの一幕。
エミリさんが可愛すぎる! 大人の女性を醸し出す挿絵からの、自己評価の低い浩太への怒りから勢い告白までの流れの思考の空回りのギャップが素晴らしい。ナンパ男の猫の例えも秀逸だった。
それに比べて浩太とかいう酒乱はなんなの? そこまで行ったら最後まで行けよ!(←ラノベ的に無理です) でなきゃちゃんと甘い空気になれよ。使えんわー。宰相ロッテやソルバニア王とは違う意味で浩太株がストップ安ですわ。
前回からの本題であるテラ港湾整備事業は、その浩太株を落とした力技で一応の決着を見たわけだけど、英気を養うだけでなく、周囲の評価を落としたことで反撃の機運は高まったと見ていいのかな?
でも、ソルバニアからの攻撃は当分先になりそうで、エピローグには謎の新キャラ。次は違う話なのかも。