いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ふぉーくーるあふたー」水沢夢(ガガガ文庫)

ふぉーくーるあふたー (ガガガ文庫)
ふぉーくーるあふたー (ガガガ文庫)

女子高生の星上陽奈は、宇宙人・ウマちゃんの導きで“魔星少女”レイアーソルに変身。地球侵略を企む宇宙人との一年にわたる戦いの末、壊滅させた。だが最終決戦の後、人知れず繰り広げられてきたはずの自分の戦いが、ウマちゃんの母星で娯楽番組として放映されていたことが判明!怒った陽奈は、さらなる悪の組織が襲来すると聞かされながらも、魔星少女の続投を拒否。そこでウマちゃんは、後任の選出と育成を提案し、今度は一緒に番組を作ることになるのだが…。魔星少女の二年目の任務“4クールアフター”が幕を開ける!!


表紙をみて「ああやっぱり」と思ったら、中身を読んで驚愕した。
ツインテール」の文字が本編中にたった5回しか出てこない! 無茶したなあ夢先生。執筆中は血の涙を流していたのに違いない。


そんな(どんな?)ツインテール作家の二作目は魔法少女もの。
宇宙からの侵略者を倒し地球を守った魔法少女の活躍は、実は他の星で放送されていて――という、ラノベではよくあるタイプの設定だが、俺ツイ作者の作品が普通の枠に収まるわけがなかった。
メインキャストがみんな頭おかしい。
主人公の陽奈はUMA大好き女子高生(貧乳)。魔法少女になると脳筋徒手空拳で最強という魔法どこ行ったな個性的な戦いぶりを差し置いて、目を引くのはUMAへの愛の重さ。主人公なのにヤンデレて……。
その彼女の跡を継ごうとする後輩は、矢部くん口調の妄想だだ漏れストーカーなクレイジーサイコレズ(巨乳)。もうどこからツッコめばいいのか……。
マスコットキャラクターのウマちゃんは一応常識派のツッコミ役だが、ダメな男・ダメな大人臭がぷんぷんのダメマスコット。普通なんて無かった。
彼らが織りなす物語は当然の如くカオスの一言。それでいていざ戦いになるとピンチ・逆転・気持ちのいい強敵で、しっかり盛り上げてくれる。バトルの熱さは流石のクオリティーだ。
世界観と地の文の日本語のおかしさで攻めてきた俺ツイに対して、本作は普通の設定、普通?の日本語でキャラクターのおかしさを強調して攻めてくる作品だった。こっちも面白い。