今年の読んだ本は
230冊(漫画等除く)でした。
昨年から約50冊減。意識して減らした成果が出た。来年はもう20冊くらい減らす方向で。
その中からお気に入りのものをいくつか上げてみました。
今年も例年通り曖昧なジャンル別でお送りします。
(シリーズものの画像は今年出版分のみ)
↓長いので収納↓
●泣き
「とある飛空士への誓約」犬村小六(ガガガ文庫)
『とある飛空士への追憶』から始まり約7年半続いたシリーズがついにグランドフィナーレを迎えた。
最終巻はこれぞ大団円。誓約の七人の少年少女だけでなく過去のシリーズも含めて、戦乱の時代に翻弄されてきた登場人物たちが苦難の末に掴んだ幸せが詰まっている最高の一冊だった。
「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」枯野瑛(角川スニーカー文庫)
今年各所でブレイクした泣かせるライトノベル。
過酷で重苦しい世界観と、戦う少女たちの儚さ。その彼女たちの女の子らしい可愛らしさと、見守る主人公の優しさ。その全てが融合して何とも言えない美しい空気感を醸し出す。この雰囲気がたまらなく好きだ。
悪の総帥の主人公と正義のヒーローの幼馴染みヒロインによる切ないダークヒーロー物語。
お互いを想うがゆえにすれ違い、秘められた真実の為に戦わなければならない二人の過酷な運命に焦燥感と悲壮感が増すばかり。ダークヒーローの悲哀だけでなく青春ものとしても泣ける。
●燃え
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」大森藤ノ(GA文庫)
アニメ化も果たした、今最も勢いがあるラノベと言っても過言ではない作品。外伝を含めて今年5冊も出ているペースの速さも魅力の一つ。
今年最も熱かったのは7巻。囚われの少女の為に死にもの狂いで頑張る少年。こんな超王道なシチュエーションを最大限の熱量で書かれたら、燃えるに決まっている。
「英雄都市のバカども 〜王女と封鎖された英雄都市〜」アサウラ(富士見ファンタジア文庫)
めっちゃ熱い、、、グラタンが(おい
人名地名はダイレクトに洋酒の名前で、出てくる料理が塩気多めの熱々料理と、一杯飲んで読めと言わんばかり。
物語はどこか初期のドラゴンマガジンの香りがするハイテンションコメディで、普段はダメ男で女の子には滅法弱いという寅さんみたいな主人公を含めて街の住人は風来坊ばかり。しかもストーリーは水戸黄門バリの勧善懲悪という、どこからどう読んでも完全なおっさん向けラノベ。三十路のオッサンな私にはクリーンヒット。
第21回電撃小説大賞〈銀賞〉受賞作。
「リア充爆発しろ!」を声高々に叫ぶバカコメディ。リア充の挫き非リアを賛美する長台詞が馬鹿らしくて面白い。
その一方で、そう叫んでいる当人たちは読んでいる方が恥ずかしくなりそうなピュアな恋愛模様を繰り広げているという。その言動の矛盾も面白さの一つ。
「SとSの不埒な同盟」野村美月(ダッシュエックス文庫)
【不埒】――道理にはずれていて、けしからぬこと。まさにこの二人の為に有るような言葉だ。
恐らく今年のラノベ界最凶カップル。
変態ドS二人の性癖を隠そうともしない開けっぴろげな会話がひたすら楽しい。それでいて甘さも十分で、ラブもコメディも最高に面白かった。
異世界なのに日常ラブコメなシリーズ、完結。
ツンからデレへゆっくりと成長していった正統派ヒロインだとか、実はしっかりした主人公の成長譚だったとか、実にあざといネコミミ幼女とか、良いところを上げればいくつも上がるけれどそれよりも、読んだ後に単純に純粋に「楽しかった」と思える貴重なシリーズだった。
日本人にとってごく当たり前の料理を、異世界人が新鮮な感動を「食レポ」してくれる本作。最近流行りの「飯テロ」ラノベの中でも飯を美味そうに食べる描写にかけては群を抜く。
空腹時や深夜に読むのは大変危険です。
祖父の借金のかたとして異世界の老舗宿に連れてこられてしまった女子大生の物語。
この女子大生・葵が実に料理上手で、出てくる料理がどれも素朴で美味しそう。それに負けず嫌いで行動力もあるので、彼女が妖怪たちに負けじと駆け回る物語も面白い。
以上です。
来年も傑作、快作に出会えることを祈りつつ、皆さま良いお年を!