いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「かくりよの宿飯 三 あやかしお宿に好敵手きました。」友麻碧(富士見L文庫)

かくりよの宿飯 三 あやかしお宿に好敵手きました。 (富士見L文庫)
かくりよの宿飯 三 あやかしお宿に好敵手きました。 (富士見L文庫)

あやかしの棲まう“隠世”の老舗宿・天神屋の離れに、ついに食事処「夕がお」を開店させた葵。
トラブルはあったものの、食事が縁で打ち解けたあやかしたちの力を借り、ようやくお店も軌道に乗り始めた。そんなある日、仕事で大旦那様不在の天神屋に“招かざる客”がやってきた!
天神屋のライバル宿・折尾屋の番頭だという天狗の葉鳥は、なんと元は天神屋の番頭で、しかも暁の師匠にあたるそうで……。さらには、かつてその折尾屋に在籍していたという銀次の様子もおかしくなってしまい!?

天神屋のライバル店である折尾屋の番頭以下数名がやってくるシリーズ第三弾。
暁や銀次のいつものメンバーに加えて引っ込み思案な湯守の静奈と、天神屋のスタッフと何かと縁(因縁)のあるライバル店員の登場に葵も大忙し。……直接は関係なかったのに勝手に首を突っ込んでいるとも言うw
やっぱり「夕がお」はお店って言うより天神屋のあやかしたちの憩いの場だなって。真面目にお店の事をやっていた二巻より、葵があやかしたちにご飯を作って悩みを聞いてと、話の流れが一巻に近い感じだった。あやかしの深く知れるし葵の人の良さもよく出ているから、どちらかと言えばこの流れの方が好きかも。
そして、3巻になってますます冴え渡る飯テロ小説っぷり。
いつもの素朴な和食の他に今回は総菜パンにカレーにと、より現代っ子の庶民の味なものが出て来て腹を刺激する。豪華な料理よりも読んだらパッと姿も味も想像出来るもの方が飯テロ力が強いんだって。夜読むんだから勘弁して!←知るか
と、いつも通り面白かったのだけど、初めの方に醸し出していた不穏な空気の割に大して波風立たないなと思っていたら、最後の最後にとびっきりの波瀾が! これは今回「威厳どこ行った?」と聞きたくなるくらい可愛かった大旦那様の本気が見られるか?