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「ロクでなし魔術講師と追想日誌」羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

ロクでなし魔術講師と追想日誌 (ファンタジア文庫)
ロクでなし魔術講師と追想日誌 (ファンタジア文庫)

アルザーノ帝国魔術学院には、生徒もあきれるほどの一人のロクでなし魔術講師がいた。男の名はグレン=レーダス。
授業では、蛇で女生徒たちを怖がらせて遊ぶも、その蛇に頭を噛みつかれたり……。図書館で失踪した女生徒の救助へ向かうも、怪異に怯えて、破壊呪文で図書館を吹き飛ばそうとしたり……。授業参観で珍しく真面目に授業をしようとするも、すぐにボロが出てしまう……そんな、ロクでなしな学園の日々。
そして――「……失せろ。殺すぞ、このガキ」
グレンの師であり育ての親セリカ=アルフォネアとの衝撃の出会いが綴られる『ロクでなし』シリーズ初の短編集!


表紙の通りにグレンの師、セリカが目立つ短編集だった。
1話目からご機嫌でグレンと漫才してじゃれたり、甘やかしたり、親馬鹿を見せたり。こんなキャラだっけ?と思いつつ最後の話を読んだら……なるほどね。時系列順で第五話から読んだ方が、一〜四話が温かい気持ちで読めるかもしれない。
それにしても話単体でも文句のない出来で、次の話へのさり気ない繋ぎ方とか短編集でもソツがない。本当にこれがデビュー作?



以下各話毎




生き急ぐロクでなし
内容:蛇に噛まれたシスティの為にグレンとルミアが薬草を探しに夜の森へ
いの一番で良い想いをしたのあルミア。これはメインヒロインだな、よし。
これを読んだ後に口絵に戻ると大変ニヤニヤ出来てよろしいかと。




迷える白猫と禁忌手記
内容:図書館で起きる怪奇現象の噂を追う。
あー、1話目ラストで驚いていたのはオチの為じゃなくてマジだったのか。意外にも男女そろってお化け苦手パターンもラブコメ的にありだね。それに対して、幽霊相手でも動じないばかりか救いの手を伸ばすルミアさんの聖母っぷりマジぱねーっす。
ところで禁忌手記の公開はまだですか?
(あとがきでのこの話のエピソード、編集がガチクズなんですが。富士見は相変わらずこんなのばっかりか)




魔術講師グレン 無謀編
内容:古式の錬金術にこだわるグレンの狙いとは?
ショタグレンも無垢で可愛いが、ロクでなしグレンもすぐむきになって可愛いぞw




魔術講師グレン 虚栄編
内容:授業参観
システィの性格は父親似なのね。お母様の方は、超然とした物腰がどことなくルミアに似てる。血の繋がりはなくても家族だね。
セリカの親馬鹿ぶりが酷いw……と思ったら↓




空〜孤独の魔女〜
内容:セリカとグレンの出会い
セリカはこういう設定のキャラだったんだ(設定言うな)。そうするとシリーズの最後に……。
まあ先のことはいいとして、セリカのグレンに対する親馬鹿ぶりの理由はここか。
切なくも優しい話で読後感がとてもいい。