いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」武田綾乃(宝島社文庫)

【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)
【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)

北宇治高校吹奏楽部は、過去には全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。しかし、新しく赴任した滝昇の厳しい指導のもと、生徒たちは着実に力をつけていった。実際はソロを巡っての争いや、勉強を優先し部活を辞める生徒も出てくるなど、波瀾万丈の毎日。そんななか、いよいよコンクールの日がやってくる――。少女たちの心の成長を描いた青春エンタメ小説。

どれだけ丁寧なアニメ化だったかを原作を読んで改めて感じた。
青春、友情がメインで華やかさがあったアニメと違い、原作は久美子が日常で感じる不安や喜びが語られる久美子の物語となっている。
主に語られるのは部活内に流れる不穏な空気や、他人を悪者にして自分の怠惰を正当化する先輩たち。部活内で絶対的な壁が存在する年功序列なんかの、久美子が感じる「やな感じ」を、ダイレクトに表現しているところが目立ち、吹奏楽部でなくても体育会系の部活の経験者には共感できる場面が多い。ここの吹奏楽部の空気が悪いのが根本の原因ではあるけど、こういう感想を心の中でも普通に出てきちゃう辺りが、麗奈が久美子を「性格悪い」っていう所以かも。そのネガティブ思考のおかげで全体的に暗い印象になってもますよ、久美子さん。
キャラクターでは麗奈よりもサファイヤの方が自信家で目立っていたのが印象的。秀一はアニメと変わらず不憫だったw
2巻からはアニメ化されていない内容なので、新鮮な気持ちで読めそう。