いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「おいしいベランダ。 2人の相性とトマトシチュー」竹岡葉月(富士見L文庫)

おいしいベランダ。 2人の相性とトマトシチュー (富士見L文庫)
おいしいベランダ。 2人の相性とトマトシチュー (富士見L文庫)

栗坂まもりが一人暮らしを始め、お隣住まいのイケメン改め園芸男子の亜潟葉二と知り合って、はや半年。葉二の元カノとケジメもついて、秋のベランダ収穫ごはんで人心地……と思いきや。「この際だから付き合うか」葉二からの告白で二人は恋人同士に。って見切り発車すぎじゃありません!?
恋の実りに動揺するまもりと、仕事が多忙を極める葉二。ベランダ菜園にも虫が付くしで、目まぐるしい日々に二人の関係は……?
大好評・園芸ライフラブストーリー。ベランダも、恋人も、お付き合いって難しい。

2人の相性はどうみても最高です。本当にご馳走様でした。(サブタイトルに向けて)
まもりの性格に因るところが大きいのだろうけど、二人でいる時が付き合い始めとは思えないくらい自然体でいい雰囲気。分かりやすくイチャイチャしないところが逆に仲睦まじく見えたし、まもりが不安を抱えた時期もそんなにハラハラしない安心感があった。
男女に限らず人との付き合いでは相手にどれだけ好意があっても、好きになれない点や譲れない一線があると思うんだ。亜潟の変に効率主義なところとか人を小馬鹿にした物言いとか、まもりの酒癖や人懐っこいんだか淡泊なんだか掴みどころない性格(まもり視点で読んでいるから考え過ぎた結果だと分かるが)などは、人によっては受け入れられないところだろう。この二人はそういうポイントがちゃんと外れている、歯車がしっかり噛み合っているそんな風なカップルに見えた。……あー羨ましい。
また、ベランダ栽培野菜産料理は今回も充実。
サブタイトルのトマトシチューも美味しそうだったけど、一番そそられたのは二日酔いの時に飲んでいたスープ。ハーブティーはダメだけど、料理に香草使うのは大好きなのよね。
大雑把でもどこかオシャレで何より旨そうな男の家庭料理を楽しみつつ、デザートに爽やかな甘さのラブストーリーを楽しむ。とても満足な一冊だった。




〜獅子唐が出てきたので雑談〜
ししとうはどんなにストレスなく育てても10%ほど辛いのが混じるので、本編の当たりししとうは育て方が悪かったり時期ズレのせいではないはず。但し、10月を過ぎて寒くなってくると辛いやつの割合が増えるのは確か。今年のうちのが、4月に植えたのに採れだしたのが9月からという発育不良で10月になってもバンバンできていたのだけど、後半は4、5本に1本は辛く、辛さもきつかった。