いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「妹さえいればいい。6」平坂読(ガガガ文庫)

妹さえいればいい。 (6) (ガガガ文庫)
妹さえいればいい。 6 (ガガガ文庫)

告白ひとつで人間関係が一変してしまうほど、彼ら彼女らは子供ではない。けれども、心は確実に変化する。心の変化は物語に新たな潮流を作り出し、登場人物たちを否応なく巻き込んでいく。それとは関係なく、アニメ化という荒波もまた伊月を容赦なく押し流す。さらにはGF文庫にも、新しい作家たちが登場する。新展開、新人、新しい仕事、新しい日常。それはそうとぷりけつは相変わらず千年に一人のケツを持つ少女を追い求めていた。そんな彼にも大きな変化が……!? 同じようで変わりゆく、青春ラブコメ群像劇第6弾!!

極めて簡潔で日本一酷い章タイトルを見た……。
あとは私怨がただ漏れになっているところや、現代のピカソことパブロ・プリケッツ先生の活躍するところなど(次回、パブロ先生が留置場から登場しても驚かないw)遊んでいるところも少しあるが、大半は「このシリーズ、こんな作品だったっけ?」と思うほど真面目でシリアス。切ない恋愛模様を描いた青春群像であった。
そして、なんだこの潔く真摯で格好良い若者たちは。
伊月も京も春斗も、うだうだ悩んで何も進展しないなんてことも、答えを先延ばしにして自然消滅やキープを狙ったりすることもなく、ちゃんと答えを出してから先を見据えていた。それはダメだったから次って意味でもないし、出した答えに後から悩みもしているけれど、自分の気持ちに正直で相手にも誠実な態度がひどく眩しかった。
その“眩しい若者”の集大成が最後の伊月。
告白の言葉もストレートで良かったけど、一番最後の一言が格好良すぎるだろう。ラノベの主人公かよ(そうだよ
「ああ、青春っていいなあ」としみじみしてしまうほど、清々しい青春模様だった。とても良かった。
ここ2巻が真面目路線だったので次は遊ぶ模様。そっちのテイストの方ももちろん好きなので、7巻も楽しみ。