いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「君に恋をするなんて、ありえないはずだった」筏田かつら(宝島社文庫)

君に恋をするなんて、ありえないはずだった (宝島社文庫)
君に恋をするなんて、ありえないはずだった (宝島社文庫)

千葉県南総にある県立高校に通う地味で冴えない男子・飯島靖貴は、勉強合宿の夜に、クラスメイトの北岡恵麻が困っているところを助けた。それから恵麻は、学校外でだけ靖貴に話しかけてくるようになった。しかし靖貴は恵麻に苦手意識を持っていて、彼女がどうして自分に構うのかわからない。地味系眼鏡男子と派手系ギャル。絶対に相容れないはずの二人に起きる、すれ違いラブストーリー。

クラス内カーストの底辺付近の男子・靖貴と(帯に最底辺とあるが最ではない)、最上位の女子・恵麻による青春恋愛小説。
クラス内の接点がほぼ皆無な二人の数少ない逢瀬は、週に一度の予備校の帰り。それも本当にちょっと会話するだけ。恋愛ものなのに二人で居る時間が少なく、それ以上に会話が極端に少ない。靖貴と恵麻がそれぞれに自分の胸の内を語っていくのがメインの恋愛小説となっている(メインは靖貴視点)
クラスメイトで当然同い年なのになかなか理解出来ないお互いのものの考え方によるすれ違い、知らずにお互いの良いところを見つけあっている微かに甘いところ、ままならずなかなか名前も付けられない自分の感情へのもどかしさなど、心の小さな動きまでじっくり丁寧に読ませてくれる。
そんな二人が……って、おおい! どんなところで切るんだよ。
二人の仲が3歩進んだら2歩か3歩下がるようなじれったさで、後半になっても全然進展していないので、終わらないことまでは予測できたけど、、、まさか5歩位くらい下がったところで切られるなんて。これは鬼畜の所業w 続きはよ!