いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ロクでなし魔術講師と追想日誌2」羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

ロクでなし魔術講師と追想日誌2 (ファンタジア文庫)
ロクでなし魔術講師と追想日誌2 (ファンタジア文庫)

アルザーノ帝国魔術学院には、ロクでなしに振りまわされる三人の美少女たちがいた。彼女たちの名は、システィーナ・ルミア・リィエル。そんな彼女たちの日常は波乱がいっぱいで!?
記憶喪失になったシスティーナは、不覚にもグレンに懐いてしまったり。学院へ通うルミアは、変装する何者かにストーカーされたり。アルバイト生活を始めたリィエルは、お金をピンハネされたり……そんな、ロクでなしな学園の日々。
「僕は、……皆を守れる強い力が欲しいのに……ッ!」
ついに明かされる【愚者の世界】誕生秘話。ロクでなしになる前のグレンの学生時代を描く、書き下ろしエピソードも収録!

この学院、ロクな教授がいねえ!
グレンなんてまだまだ常識人の優良講師だった。学院長はよく胃に穴が開かないな。これが帝国でトップの魔術教育機関か……この国もうダメかもわからんね。
そんなわけでやたらと変な教授や先生が出てくる短編集第2弾。
一癖どころか四癖五癖くらいありそうな教授や先生たちのキャラが濃すぎて、生徒たちのキャラが喰われてる。何の事件にも巻き込まれていない生徒たちの日常を読むはずが、いつもよりも振り回されているんじゃないかと。なるほど、こうやってここの生徒たちは鍛えられているのか(違う
そんな教師陣に負けず劣らずの存在感を見せたのがアルベルト。壮絶な空回りっぷりに、本編での優秀でクールなイメージが崩壊寸前。長編での本来の仕事に支障が出ないか心配だ。
と、かなり思い切って遊んでいる短編集だが、最後だけはセンチメンタルに攻めてくるのがにくい。この構成の上手さ、長編は熱くシリアスに短編は思いっきり弾けるスタイル。スレイヤーズフルメタに連なる富士見F王道の系譜だ。
そんな楽しい短編集だったのだけど、ただ一点どうして文句を言いたいことがある。
どうしてルミアメインの短編がないんだよ!(憤怒) 最近影が薄いから短編なら出番あるだろうと思って楽しみにしてたのに……。