いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「東京バルがゆく 不思議な相棒と美味しさの秘密」似鳥航一 (メディアワークス文庫)

東京バルがゆく 不思議な相棒と美味しさの秘密 (メディアワークス文庫)
東京バルがゆく 不思議な相棒と美味しさの秘密 (メディアワークス文庫)

大都会東京の片隅に、ふと気まぐれに姿をあらわす移動式のスペイン風カフェ兼居酒屋“ウツツノバル”。
とある理由で大手メーカーを脱サラした店主は、手間暇かけた料理と美味しいお酒の数々で、眠らない街の胃袋を満たしている。
そして、思いかけず客が持ち寄る不思議な相談に、店主と風変わりな相棒は、ちょっとしたおせっかいと、気の利いた“逸品”で応えようとするのだが――。
ヒット作『栗丸堂』の著者が贈るささやかな出会いの物語。


あー、これ2巻だったのか。
かなり重い貝原(主人公)の出店動機や貝原と阿南の再会がサラッと流されていて変だなと思っていたが、なるほど納得。まあそれはいいとして『栗丸堂』の作者だったのか……。
ストーリーとしては、
店を訪れる人たちの悩みを誠実な貝原の人柄と美味い料理で解きほぐしていくハートウォーミングな話で、身近な人の死を経験している店の二人境遇から、「人生とは」という少し重めな話も入ってくるのが特長。基本的にはいい話だと思う。
但し、
『栗丸堂』でもそうだったのだけど、この作者とは微妙に感覚が合わない。
少し例を挙げるなら、一話目は多少の縁が出来たとしても、1,2度会っただけの相手の家族関係の話をストレートに聞けてしまう神経が理解できない。二話目は、フラれると分かっているのに自分の踏ん切りの為に告白するのは自分勝手な自己満足だと思う。美談にするのには違和感がある。
などなど、色々なところで自分の中の常識や許容範囲からちょっとずつ外れる。大きく価値観が違えば、そういう考え方もあるのかと思えるのだけど、ちょっとだけ合わないのがとても気持ち悪い。
結局、作者と合わないという事を確認しただけになってしまった。
今月MW文庫のあらすじを読んで少しでも興味を惹かれたのがこれだけだったから注文したけど、、、不幸な出会いだったね。。。