いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん11 ××の彼方は愛」入間人間(電撃文庫)

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん11 ××の彼方は愛 (電撃文庫)
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん11 ××の彼方は愛 (電撃文庫)

あるところ、ある時代に双子の姉妹がいました。
姉は妹をこう評します。「わたしと比べたら馬鹿」
妹は姉をこう評します。「よくできた姉様」
姉の方は父親によく似ています。「勘弁して」
妹の方は笑うと母親に瓜二つです。「あっはっは」
両親とそっくりで、嘘つきで壊れた少女。そんな彼女たちが住む町で起きた連続殺人事件。
そして、双子の姉は言いました。
「うちの妹が犯人よ」と。
──ねえ、まーちゃん。今度は僕たちの子供の話だってさ。

6年半ぶりの『みーまー』新刊。二人の双子の姉妹が主役の後日談編。
楽しむためには歴代のキャラクターの為人をある程度覚えていることを強いられるので、初見さんはもちろん6年半ぶりに新作を読むファンにも優しくないファンブック的な何か。長瀬の口調なんて名前が出るまで完全に忘れてたッスよ。
そして中身はもっと優しくない。次世代になっても救いなんてなかったという話。
理性的な姉とちゃらんぽらんな妹の言動にみーくんとまーちゃんの影を見ていたら、一つの事実で全てがひっくり返されるどんでん返しが基本の『みーまー』らしい話。但し、その事実が超絶に胸糞悪いので読後感最は悪。親の世代より救いがない。家族構成とか年代とか考えてしまうとどう考えても闇しかないので、精神衛生上大変よろしくないので止めておくことをお勧めする。
楽しめたところというと、湯女さん。相変わらずの強キャラでいらっしゃった。その一方で、柚々とか恋日先生とか好きなキャラが出てこなかったのが残念。まあ、あの不幸の連鎖に巻き込まれなくてよかったと思っておくべきだろう。
良くも悪くも悪くも『みーまー』でした。