いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「道-MEN 北海道を喰いに来た乙女」アサウラ(ダッシュエックス文庫)

道-MEN 北海道を喰いに来た乙女 (ダッシュエックス文庫)
道-MEN 北海道を喰いに来た乙女 (ダッシュエックス文庫)

20××年、北海道は独立国家となり日本との断交政策を実施。
そんなある時、日本の工作員と思しき少女・早乙女めろんが捕縛される。北海道特殊機密部隊『道MEN』が対応に当たることになったのだが、彼女は自分の目的は破壊工作でも情報操作でもなく、ただ北の美食を堪能するために来たのだと言い張るのだった。
道MENを率いる斉藤幸之助はなし崩し的に彼女の喰い倒れの旅をエスコートすることになるのだが、その最中、道内に潜伏していた千葉県の工作員から謎の襲撃を受ける。そして無数の思惑が絡み合い、最強と謳われる群馬県工作員までもが活動を開始する……。
北海道メシ喰いまくりながらのアクション超大作、堂々始動!!

独立国家北海道の帝だから道帝=ドウテイってやかましいわ!w
独立国家北海道を舞台に、日本の千葉や群馬の工作員による度重なる襲撃を受けながらも、強行されるグルメツアー。北海道の庶民のグルメを紹介しながら、己のプライドと郷土愛を掛けた白熱のバトルが展開される異能アクション。ファンには世界観が『デスニードラウンド』でノリは「ベン・トー』といえば分かりやすいだろう。それにしても夢の国とグンマーを敵に回すの好きね。個人的に恨みのある人でも住んでるんだろうか?w
まずは何と言っても腹減らし力。北海道のグルメと言えば海の幸を想像するが、出てくるのはインスタントやカップ麺、駄菓子やチェーン店などいわゆるジャンクな食べ物ばかり。まさに庶民の味。B級グルメが流行るように、お上品なものよりもこういうのが旨いんだよ。というものを的確に出してきて、そこに持ち前の食欲をそそる表現力が遺憾なく発揮されるから堪らない。じゃがコーンが食いたいんじゃー――――!!!
それにバカらしいのに燃えてしまうは異能バトルでも健在。
各道県の特色を生かした異能や装備で出だしは笑いを取りにくるが、いざ戦闘が始まるとスピード感あるカーチェイスに、寒さと警戒心でひりつく市街地戦にと、緊張感が瞬時に増して一気にシリアスに。そこに各々が魂の叫びを吠える演出も加わって燃え要素十分。
実にアサウラ先生らしいクレイジーかつハングリーな作品で最高に面白かった。おバカなことを真剣にやり抜くこの感じ、本当に大好きだ。是非とも続きを。幸之助とめろんが約束を果たすその時まで。