いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「りゅうおうのおしごと!6」白鳥士郎(GA文庫)

りゅうおうのおしごと! 6 (GA文庫)
りゅうおうのおしごと! 6 (GA文庫)

「重度のロリコンですね。治療法は死ぬしかありません」
竜王防衛を果たし、史上最年少で九段に昇った八一。二人の弟子も女流棋士になれて順風満帆……と思いきや、新年早々問題発生!?
不眠症や変な夢に悩まされ、初詣で怪しげなおみくじを引き、初JS研では小学生全員に告白され、弟子の棋士室デビューは大失敗。おまけにあいはロリコンを殺す服を着て既成事実を作ろうと迫る。殺す気か!!
そんな中、銀子は奨励会三段になるための大一番を迎えるが――
新キャラも大量に登場! 熱さ急上昇で新章突入の第6巻!!
新時代の将棋の歴史は、ここから始まる。

竜王戦を終えて「竜王」八一は一旦お休み。
八一が日常に戻るとロリコンネタが増えるのがね。一つ二つなら乾いた笑いで済ませられるけど、こんなにあるとちょっと……。二人の弟子と真剣に向き合っている時は本気でいい話になるのになあ。それにしても最近は、完全に天衣よりあいの方が問題児になってる。幼女的可愛さではシャルには勝てず、可愛い暴力キャラでは銀子に勝てず、結婚に囚われる役は桂香さんには勝てず(←おい)、いい子ポディションまで天衣に奪われたらあいちゃんに存在価値はあるのだろうか。
さてそんなロリロリしていた八一に変わって、今回メインは張ったのが姉弟子・銀子。
……これはまたへビィな。
中盤までは銀子かわいいよ銀子と思いながら読んでいればよかった。私服に酒乱の戯言を真に受けちゃう初心さにおへそに彼女らしい甘え方にと、かわいいがとどまることを知らない状態だった。
それが、後半へ行くにしたがって追い詰められていく銀子の様子が生々しくて、読んでいる方までどんどん息苦しくなっていく感覚に囚われる。はっきり言って今回は熱くなる対局はなかった。その代りに対局前、中、後の並びで背筋が凍る。研ぎ澄まされた刀一本のみで修羅の道へ行こうとする銀子が、刀の届かないところからぼこぼこに殴られた挙句に、唯一の武器をぽっきり折られたところが修羅の道のスタート地点。そんなイメージ。唯一の支えで休息地が八一なのに、その八一でさえも彼女を苦しめる一つの要因になっているところがさらに救いがない。自分には銀子が折れてしまう未来しか見えないのだが……。
銀子は復活できるのか折れてしまうのか、次巻が怖い。でも楽しみ。



そういえば泣かせポイントも天衣くらいしかなかったな。と思っていたら予想外のところに。このあとがきはずるい。