いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔法科高校の劣等生 (23) 孤立編」佐島勤(電撃文庫)

魔法科高校の劣等生(23) 孤立編 (電撃文庫)
魔法科高校の劣等生(23) 孤立編 (電撃文庫)

二〇九七年四月末。
戦略級魔法の使用はブラジル軍だけにとどまらず、ギニア湾岸にて大亜連合により戦略級魔法『霹靂塔』が使用される。
魔法が戦火を拡大し、世界を包んでいく。
魔法を使った者への非難。
魔法を作った者への非難。
魔法師への逆風が強まる中、魔法の平和的利用として、USNAの研究者であるエドワード・クラークから『ディオーネー計画』という壮大な宇宙開発プロジェクトが提案される。そして、選ばれた人員の中にはトーラス・シルバーの名前が。これをきっかけに達也がトーラス・シルバーであることが白日の下にさらされてしまうのだった――。
達也と深雪に新たな試練の時が訪れる。


『ディオネー計画』という米国が立ち上げた金星テラフォーミング計画を巡って達也が追い込まれるシリーズ第23弾。
「孤立」というのは学校内や十師族内の小さな範囲ではなくて、もっとワールドワイドな話だった。流石お兄様、孤立一つとってもスケールが違いますね!
おかげさまで、前半はその状況を説明するために国内国外、大人たちが本音と建前を使い分けている様子を長々と読まされるという、なかなかの苦行を強いられる訳だけど。大人たちが自己正当化の為に理屈を捏ね繰り回している様子にストレスとヘイトは溜まる一方。
それを少し晴らしてくれたのが高校生たち。
十文字たち先輩方とも袂を分かち、いよいよ味方が居なくなったところで颯爽と現れる同級生の仲間たち。その前のヒーローのパワーアップを含めて少年誌らしい展開に胸が熱くなる。レオの台詞は一々ちょっとクサいけどw
但し、達也本人が本気で戦えていないのと状況は決して良くなってはいないから“少し”なんだけど。こちらから手を出すわけにいかない状況というのが、スッキリできない一番の要因だろう。
次巻『エスケープ編』。深雪と達也の愛の逃避行が始まる!?(ないです


先輩方に反論する時、体のいい追い出しの方でばかり反論していたのには意味があるのかな。途中で言ってた「不在時に大国に侵略される可能性」の方が説得力がありそうだけど。