いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「りゅうおうのおしごと!7」白鳥士郎(GA文庫)

りゅうおうのおしごと! 7 (GA文庫)
りゅうおうのおしごと! 7 (GA文庫)

「文句があるならかかってこい! 八一!!」
清滝一門の祝賀会。師匠である清滝鋼介九段から叩きつけられたその言葉に、八一は衝撃を受ける。
順位戦――名人へと続く階段で、昇級のチャンスを迎えた八一と、降級の危機にある清滝。師匠の苦しみを理解しつつも八一は己の研究を信じて破竹の進撃を続ける。
一方、棋力のみならず将棋への熱をも失いかけていた清滝は――
「衰えを自覚した棋士が取れる手段は二つ……」
残酷な運命に抗うのか、従うのか、それとも……?
笑いあり涙ありの浪速ド根性将棋ラノベ、号泣必至の第7巻!

あいちゃんのス○ーカー気質は遺伝だったかー。母上の旅館での強引さからそんな気はしていたが。お父さんも大変ご苦労をなされて……あ、現在進行形だ。人物紹介の好きな物と苦手な物の欄が怖くて泣ける。
そのあいちゃんも大概だと思っていたが、輪をかけてヤバいのが創多。そのハートは止めてくれ(懇願) もうやだここの小学生、モンスターばっかりだ。いろんな意味でw
やっぱりヒロインは姉弟子の一強だわ。今回は八一と一緒にいることが多くて、デレ銀子が沢山拝めてほっくほく。初めて“姉”弟子らしいシーンもあったし。ただコスプレのシーンは、しらび神の挿絵は眼福だったけど、シーンそのものの必然性と羞恥が足りてないなくて多少違和感が。
とまあ、コメディパートはこれくらいにして本題の方は、
清滝一門の父・清滝鋼介師匠がメインで、師匠を筆頭にソフト全盛の将棋界で高齢棋士たちの意地が炸裂するオッサンくさい話。
常々オッサンが活躍するラノベはハズレなしだと思っているのだが、本作もその例に漏れず面白い。
一線で戦ってきた経験を生かして主人公たち若者の前に立ちはだかる姿は敵役であっても格好いいものだし、その経験が背景にある言葉は同じ言葉でも若者のそれよりも響く。また、それまでの地位をかなぐり捨てた必死さは一つのギャップになる。そんなラノベにおけるオッサンの面白さがこの一冊に詰まっていた。清滝師匠、今まで幼稚で頑固なボケ親父だと思っていてすみませんでした! もっとオッサンが活躍するラノベが増えて欲しいものだけど、年の功を生かす味を出すにはそれなりの経験が必要か。
次は八一か銀子か……そろそろあいの戦いが来そうな気もする。


あれ? そういえば結局八一は関東でなんて呼ばれてるんだ?