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ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア10」大森藤ノ(GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア10 (GA文庫)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア10 (GA文庫)

「怪物のせいで誰かが泣くのなら──私は怪物を、殺す」
そして、『その日』はやって来た。
人造迷宮の『鍵』を探し求める【ロキ・ファミリア】に訪れる運命の契機、オラリオに動乱をもたらす異常事態。地上に出現した『武装したモンスター』によって、あらゆる勢力が巻き込まれる中、待ち望まれていた『英雄』は零落し――新たな『愚者』が生まれる。
剣姫は懊悩する。
勇者は覚悟する。
人と『怪物』を巡る戦いの中で、様々な想いが決戦の舞台、迷宮街で交錯する!
これは、もう一つの眷族の物語、
──【剣姫の神聖譚】──


『異端児(ゼノス)』編の【ロキ・ファミリア】視点。アイズではなくフィンが主役の物語。
本編でも登場人物がかなり多くて複雑だったが、外伝では輪をかけて複雑なっていた。『異端児』たちを守ることしか頭になかったベルたち【ヘスティア・ファミリア】視点と違い、ファミリアを指揮する立場で大局観のあるフィンの視点だからこそ見えてくるものが沢山あった。迷宮都市オラリオが多くの神や陣営の思惑が複雑に絡み合い、陰謀渦巻く魔窟と化していた。
それに伴って見えてきたものがもう一つ、誰の視点で見てもあの事件の中心はベル・クラネルだったという事実。
ベル君は冒険者としての多くの長所や能力よりも、歴戦の冒険者たちが忘れてしまった、または押し殺している初期衝動を、再び焚き付ける着火剤としての能力が最強なんじゃなかろうか。彼が戦う背中を見せれば、絶望的な強敵相手でもみんなついてきてしまいそうだ。
と思っていたら、あとがきで『ベル・クラネルの被害者達』なんて言われてて笑った。身も蓋もないw
その強烈な作用の副作用で、初期衝動が焚き付けていい形ではない少女が一人、実際に被害を受けてしまっているから、笑いごとじゃないんだが。まあ本編11巻のラストシーンでは復活してたから、大丈夫なのは知ってるから大丈夫。←日本語が変
それよりあそこまでの間にアイズに何があったのかの方が気になる。外伝11巻でそれは語られるだろうか。