いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「僕のカノジョ先生」鏡遊(MF文庫J)

僕のカノジョ先生 (MF文庫J)
僕のカノジョ先生 (MF文庫J)

過去のトラウマで“先生”という人たちに不信感を持つ僕・彩木慎はある日の放課後、校内で一番人気の美人教師・藤城真香先生に呼び出された。「わたしは――君が好きです」……って、唐突に告白!?
「君がわたしを好きと言うまで、どんな手を使っても迫り続けるわ」それからというもの、指導と称して放課後に呼び出され、なぜか一緒に大人な動画を観せられたり、過剰なスキンシップをされたり、デートに連れて行かれたりで、だんだん先生を意識するようになって……? でも、先生が教え子と結ばれるのはまずいよね? 絶対に両想いになってはいけない(!?)二人の禁断ラブコメ、授業開始!

感想は「お、おう」。
高嶺の花で堅物のイメージの女教師が生徒(主人公)に猛アタックをかけるラブコメディ……に似た何か。ラブコメかと思って読んだら、シュールコメディだったんだ、これが。
先生が猛アタックしている理由は語られないままスタートして、その主人公が他の女子にもむやみやたらとモテていて、あちこちに思わせぶりな台詞が出てくるので、主人公の正体や先生がコロッといっちゃた秘密を明かしていくメインなのかと思って読んでいたのだが……。何気ない言葉が相手にどう届くかは本人にしか計り知れないところではあるが、少なくとも主人公にこれといった秘密=多くの女の子にモテる理由はなかった。
そうすると……この先生ヤバくない? 18禁媒体なら違和感なく受け入れられたんだろうけど(特にエロマンガは尺も短いし)、エロなしのラノベでこれは。可愛さと萌えとかを遥かに通り越して、狂気すら感じた。作中で主人公も引いていたけど、読んでるこちらもドン引きだ(^^;
女教師とか年上とか好きそうな単語が並んでいたので楽しみにしていたけれど、この中身には共感できないわ。構成要素は同じでも相容れないシチュエーションの好み。フェチズムとは人それぞれ、似て非なるものなんだと、当たり前のことを実感した作品だった。