いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん9」燦々SUN(角川スニーカー文庫)

時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん9 (角川スニーカー文庫)

「有希は……俺の、実の妹だよ」夜の公園で行われた、政近の思いもよらぬ告白。妹を犠牲に生きてきた、と自己否定する姿に見兼ねたアリサは政近の手を引き、病に伏したという有希の下へと向かう!
アリサに勇気をもらった政近は、遂に母と、そして祖父と対峙する。迷いながらも前に進もうとする政近。一方で、政近の事情を知ったアリサもまた迷いを抱き……二人が遂に決断を下した時、アリサは"はじめて"周防有希と対話する。
「ああ、いらっしゃいアーリャさん。来てくださったんですね」
情愛、覚悟、そして恋心。感情が交錯する3人の行方は!? 大人気青春ラブコメ、全ての妹ファンに捧げる第9巻!!


政近と有希の関係(実兄妹)が明らかになり、どうするアーリャさん?な9巻。
有希表紙の有希回かと思いきや、周防家がメインの話。中盤までは政近が話の中心で、エピローグでは爺様がすべてを持って行ったせいで、どちらかといえば有希の印象は薄い。
ついに物語として周防家の問題が表に出てきてしまったか。このシリーズのお金持ち・名家の設定は、作品の面白さはあまり関与していないので、それでシリアスになられても……と白けてしまう気持ちは多少ある。特に有希の事情はあまり語らないで欲しかったなあ。あのぶっとんだ妹キャラが素直に楽しめなくなるから。
まあそんなことより、大事なのはそれぞれの心情と関係に変化があったヒロインレースでしょう。
序盤凹みまくっていた政近を間近でサポートし続けたアーリャ。ヒロインとして絶好の役割だった彼女は内心で、、、恋愛脳一人漫才をしていた。おーいw
全体的にシリアスの中、一人コメディして場の空気を和ませてくれていたのはありがたいけど、折角いいポディションに付けたのに、こんな体たらくで大丈夫かメインヒロイン(苦笑) 大事な家族との対面イベントも激辛カレーにぶち壊されているし、最早扱いが面白負けヒロインの気がしてきた。
それに引き換え、少ない登場機会でスキンシップを十分とって、おまけにきっちり釘を刺していく姉・マーシャの強かさよ。これはデートイベントで勝敗が決してしまうんじゃないですかね?
あとがきが濃くて長いw