夏休みを前にして、「理学部オリ」の開催が宣言される。
それは物理部・化学部・生物部、各部活から選ばれた精鋭たちが、科学知識と頭脳を駆使し、街を駆け回り競い合う、綱長井高校理学部の恒例行事。なみいる強敵たちとともに、生物部からは出田と岩間が選ばれた。
「この夏は、一緒に駆け抜けようね!」
しかし出田には懸念があった。親睦を深めるためのイベントの裏で、彼らの青春を傷つけかねない想定外の「事件」が進行していたのだ。友人たちを、そして岩間を守るため。理学部オリを無事成功させるべく、出田は秘密を共有する仲間とともに立ち上がる――。
「私たちなら、きっと組み立てられる。きっと、とっておきの論理を」
プロローグ、そういうことかよ! ←とりあえずこれは叫ばずにはいれらない
夏休みを前にして開催される綱長井高校の伝統行事「理学部オリ」。それは物理部、化学部、生物部から選抜された精鋭が、知識と頭脳を駆使して競うオリエンテーション。しかし、その裏で「理学部オリ」で事故を起こし失敗させようと動く大人の思惑が……。てな感じの3巻。
「理学部オリ」。まず単純にこいつがもの凄く楽しそう。高難易度なオリエンテーションってだけでもワクワクするのに、そこに科学的なギミックがたっぷり盛り込まれている上に、出される問題は理系オタクなら高揚してしまう物理・化学・生物・数学の難問だらけ。
そこにもう一つの要素、前巻の後半で活躍したコンビ・出田と日知の両名に課せられた、妨害してくる犯人探しが加わってくる。これが物理的に危険な犯行手口と、食べ物がのどを通らないほどの出田の気負いが合わさって、緊張感のあるサスペンスになっている。理学部の仲間たちを、何より岩間に怪我をさせまいと気張り、おまけに誰にも気づかれないように立ち回る姿はまさに影のヒーローだった。
それと、今回のメインと言っても過言ではない岩間ちゃんの恋模様。
自分の恋心を淡く自覚して、出田と話して/一緒に何かをして/遠くから見て、その恋心を一つ一つ確認して自分自身に証明していくようなプロセスが、理系女子な彼女らしくてとても可愛らしい。
しかし、そこで問題になってくるのがプロローグ。未来に二人が袂を分かつように読めるプロローグの所為で、可愛い岩間ちゃんの様子に全て切なさ混じって、甘酸っぱいの酸っぱいが大いに勝ってしまう。エピローグでミスリードだと分かるのだが……。何故このプロローグにした? 可愛い女の子のは素直に楽しませてくれよ。
今回もとても面白かった。但し、作者は意地が悪いと思う。
ついでにもう一つ文句を。第一の課題の答えだけは酷い(怒)。いつもカリカリしていて口の悪い渡稀くんは正直あまり好きなキャラではないが、第一の課題に対する感想だけは全面同意だ。









