いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



9月の読書メーター

読んだ本の数 :13
読んだページ数:4095


少ないと思っていたが、先月よりは読んでいたらしい。



今月のベスト1+α
狼と香辛料 XXIII Spring LogVI」支倉凍砂電撃文庫


今月は期待の長寿作が合間だったりプロローグだったりで盛り上がる前だったので、持ち前の甘さを存分に発揮してくれた狼一冊で。
まあ、最甘はこっち↓なんですけどね。



「微熱空間 4」蒼樹うめ(楽園コミックス)

「鎌倉うずまき案内所」青山美智子(宝島社文庫)

古ぼけた時計店の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。そこには、双子のおじいさんとなぜかアンモナイトが待っていて……。会社を辞めたい20代男子。ユーチューバーを目指す息子を改心させたい母親。結婚に悩む女性司書。孤立したくない中学生。40歳を過ぎた売れない脚本家。ひっそりと暮らす古書店の店主。平成の6年ごとに遡りながら、悩める人びとが「気づくこと」でやさしく強くなる――。ほんの少しの奇跡の物語。


舞台は平成の日本。仕事や生活に悩んだり決断に迷ったりしている人たちが、鎌倉の地で「鎌倉うずまき案内所」に迷い込み、そこにいる双子のおじいさんとアンモナイト所長にちょっとしたアドバイスと、謎のラッキーアイテムのお告げと、うずまき状の飴を貰って、人生が好転していく、少し不思議短編集。短編の順番が時代を少しずつ遡っていくのと、前の話の脇役が次の話の主役や重要人物だったり、全編にわたって顔を出してくる人がいたりと、登場人物が重なっているのが特徴。

平成という時代を振り返る短編集。
まだまだ最近と言える一話目(2019年)二話目(2013年)まではそこまで感じないが、三話目(2007年)辺りからどんどん懐かしさが押し寄せてくる。そういうコンセプトの作品だからなのか、流行りものや時の人が実名で出て来るのも懐かしさに拍車をかける。また後半になると、少し昭和を生きているアラフォー世代だと、あれは昭和じゃなくて平成だったのか!と思う事柄も。
そんなノスタルジックな気分に浸りながら読む短編は、
不思議スポット「鎌倉うずまき案内所」に迷い込んだ人たちの、人生が好転する心温まる物語。
この手の話は不思議体験をきっかけに、過去の自分に見切りをつけたり新しいことを始めたりする人生の転機になる話が多いのだけど、この物語は不満ばかりだった現状の見方を変えて、良さを認識したり新しい一面を見つけたりして元鞘に収まる話になっている。
やみくもに変化を求めるのではなく、忙しくなったり嫌なことが続くと狭まっていく視野を一度立ち止まって広げてみよう、そんな風に言ってくれる短編集だった。
登場人物を繋げていく連作短編としては未来に進んで行った方がキャラクターが生きるのでは?という想いはあるが、それをするとノスタルジーは薄れてしまうので平成を振り返る物語としてはこれが正解なのだろう。

「魔女の娘」冬月いろり(メディアワークス文庫)

著名な魔女を母に持ちながら、魔法が使えない「失くし者」の少女・帆香。旅に出たまま姿を消した母の手紙に導かれ辿り着いた「魔法のレンタル屋」で、月額9万8000円と引き換えに魔力を借りられることに。母の面影を追い、憧れの魔法学園に入学した帆香だが、ひょんなことから早々に「失くし者」であることがばれてしまう。魔力を持たない「失くし者」にも関わらず、なぜか魔法を使える彼女に、クラスメイトが向ける視線は冷ややかなものだった。
そんな中、生徒が次々と魔力を奪われる謎の事件が勃発。犯人の疑いをかけられた帆香は、クラスでただ一人帆香の秘密と無実を知るレンタル屋の息子・千夜と共に、自ら犯人探しに乗り出すことに――。魔法社会のはぐれものが出会い、紡ぐ。鋭くあたたかい学園ファンタジー・開幕!


魔女の娘なのに魔力がなかった少女が、母への憧れを胸に魔法をレンタルして魔法学園に入学する現代ファンタジー

あらすじから優しいだけの物語ではないことは察していたが、予想以上にシビアでシリアスな話が出てきた。
主人公が魔法大好きっ子で、魔法を使う時は常にワクワクしているのもあって、魔法を使う瞬間だけはメルヘンでほのぼのしたファンタジーの装い。しかし、それを学ぶ学園は、
クラスメイト達の嘲笑にマウンティング、そこから発展するイジメ。偏見教師による嫌がらせに、“大人の対応”ばかりの大人たち。学校社会の悪い面がこれでもかと詰め込まれていて、なまじファンタジー部分が可愛い分、人の醜さがより浮き彫りになっている。
そんな逆境を多くの涙と数少ない理解者に支えられながら健気に頑張る主人公をハラハラしながら手に汗握って応援する、そんな物語だった。
これで終わりが納得できるハッピーエンドだったら、いい話だった、面白かったと言えたのだけど……。
まず、事件の顛末がモヤっと。まるで考え方が違う人を、最後まで言葉で説得しようとているので徒労感が強い。そして解決は結局力技。
エピローグもモヤっと。主人公の祖母にしても教師にしても、子供の為と言いながら自分の主義主張を無理やり押し付けていて、子供の意志や選択肢がどこにもない。学園長は愛だ優しさだと良いことのように言っているが、大人のエゴとしか思えない。
世界観は良かったし、主人公は応援したくなるいい子だったのだけど、結末には全然納得がいかない。

「つばめ館ポットラック ~謎か料理をご持参ください~」竹岡葉月(集英社オレンジ文庫)

道家の夢破れ、普通の女の子になるべく女子大に進学した沙央。入居したアパート・つばめ館では、手料理持ち寄りのポットラックパーティーが開催されていた。女子力皆無の沙央は、まともなものえお作れず、料理上手の男子大学生・宗哉に嫌みを言われる日々。ある日、大学で幽霊の目撃談を聞いた沙央は、次のパーティーに 『謎枠』で参加することにしたのだが……!?


素敵マダムな大家さん主催で月に一回、手持ち料理か『謎』を持ち寄るポットラック・パーティーが催される学生アパート・つばめ館。そこに入居したのは一年・小田島沙央。高校まで打ち込んだ柔道を怪我で引退した彼女が、荘の住人や大学の友人と交流しながら普通の女の子になるべく奮闘する物語。日常ミステリ風味。

サバサバ系女子を書かせたら右に出る者はいない竹岡先生の新作は体育会系の世界で生きてきた柔道少女。ピッタリですね。
とにかく前向きにガンガン進んでいくタイプで、最近の竹岡作品の中でも最も猪突猛進タイプ。曲がったことが嫌いな性格で良くも悪くも躊躇しないで即行動即発言な思い切りのよさ。ポットラック・パーティーに持ち込まれる『謎』に対する姿勢も、考えることは人任せで、とにかく動いて解決しようとする。同じ新入居者の男子・宗哉が頭脳労働派で諸々ハイスペックなのに細かいことをうじうじと悩むタイプな為、その対比もあってパワフルに動く姿が見ていてスカッとする気持ちのいい娘。
また、つばめ館の先輩方も、がっつり肉食女子(肉食系ではない)でサバサバ具合が沙央に負けてない浜木綿カレンに、寺の息子なのに優男でプレイボーイな堀下顕正、エレガントでミステリアスな大家さんと濃ゆいメンバーで、そんな彼らのやり取りが楽しい。
それと、忘れちゃいけないのがポットラック・パーティーに持ち込まれる料理。
月に一度のこの日の為にちょっと手の込んだ料理がどれも美味しそう。中でもスープやシチューなど汁系には力が入っている。最後のトムヤムクンは……あれもある意味力が入っているかw
今度の新作も面白かった。濃いメンバーが揃っているので今後が楽しみ。今回はサポート役だった先輩たちにも色々ありそうだし。
それに沙央と宗哉の関係は気になるところ。今のところソリの合わない凸凹コンビだが、お互いの長所が短所をいい感じに補う合ってる二人なので、ふとしたきっかけで一変しそう。

9/26の雑談

一日雨

昨日の天気予報では曇り予報だったはずなんですがね。
そんなわけで今日も今日とて新車には乗らず。
父が買い物と病院に行っているくらいなので、一ヵ月点検までに数十キロしか走らなそう(^^;

読書とゲームしかしない日曜でした。



家庭菜園

外:サツマイモぼーぼー
あいつら茂り過ぎじゃね?(^^;
(雨なので写真はねーです)


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鷹の爪、第一次収穫分乾燥完了。



ベランダ:バジルまた虫に食われる

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犯人=バジル齧り虫(仮称)
結構な量食う割には身体は大きくない。


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被害が広がる前にばっさりカット。乾燥バジルに。



ルーンファクトリー5

2週間ぶりのプレイ。
珍しくルーニーの日になったのもあって、娘も嫁もそっちのけでほぼ農業しかしてない(^^;
そのおかげもあって種レベルが10になっていないのが金剛花だけになった。
それにしても今作のルーニーの日少なすぎね? 実質2年間終わりなのにまだ2回目なんだけど。