いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



耳鳴坂妖異日誌 手のひらに物の怪 (角川スニーカー文庫)

「手のひらに物の怪 耳鳴坂妖異日誌」湖山真(角川スニーカー文庫
耳鳴坂妖異日誌  手のひらに物の怪 (角川スニーカー文庫)

怒り心頭の女子たちに囲まれた草太。話を聞くと、自分が複数の女子に携帯メールで告白したという。まったく身に覚えがなかったが、それは携帯電話に取り憑いた付喪神ミコトの仕業だったのだ! イタズラ好きで人懐っこいミコトとの関係に慣れ始めた草太の前に、“耳鳴坂”の少女・刹里が現れ「こちらと関わってはダメ」と告げるのだった――。日常にひそむ、物の怪たちとの物語が始まる!


妖怪ものは好きなのが多いんだけど、これはちょっと・・・。
あらすじと口絵からするともっとコメディタッチなものかと思ったら、主人公が成長していく真面目な話っぽい。“ぽい”というのは主題が恋愛でも異文化コミュニケーションでもなさそうなので、それしか残らないだけなのだが。
それにしては主人公が最後までヘタレすぎる。
主人公のどの行動もただ流されているだけのように見えるのがいただけない。耳鳴坂に入るのもなんとなく面白そうだからだし、そこで失敗して大いに悔やんでる割には反骨精神は見られず、ミコトに手を引かれてやっと行動に移すというヘタレぶり。最後に美味しいところだけ持っていっただけで、成長したようには見えなかった。
他にもコメディでも妖異(妖怪)の存在が一般的に認知されてる設定でもないなら、グレムリンや鉄鍋の付喪神の格好は違和感ありすぎだとか、主人公の側に二人も女の子がいるのに浮いた話が出てこなくてつまらないとか、伏線残しすぎとかツッコみたいところが多い。
面白く出来そうな要素はいっぱいあったのにどれも活かされていない、何とももどかしい一冊。

お返事(5/1 分)

◆影武者さん
心葉への怒りは本筋のほうじゃなくて、ななせへの配慮のない言葉とか最後のあれです。
奴は幼稚園の時に女の子には優しくしましょうと習わなかったに違いないw
それにしてもななせは不憫ですよね(´;ω;`)
ななせの性格からしてすんなり仲直りはなさそうですが、今回の扱いを見ていると次まともな出番があるかが心配です。
>続くんじゃ
やっぱり3巻くらいですかね。
私はなるべく伸ばしたい出版社と区切りをつけたい作者のせめぎ合いという嫌な想像をしてしまったんですが(^^;
そして番外編が本編を・・・ってそれじゃドラゴンb(ry