いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「クロノ×セクス×コンプレックス」壁井ユカコ(電撃文庫)

クロノ×セクス×コンプレックス 1 (電撃文庫 か 10-17)
クロノ×セクス×コンプレックス 1 (電撃文庫 か 10-17)

平凡な時計屋の息子・三村朔太郎は、高校の入学式当日、奇妙な路地から見知らぬ学校に迷い込む。そこは時間の魔法を学ぶ学校で、おまけに自分がミムラという名の女子になっていて!?そのまま入学を余儀なくされたミムラは魔法の授業や自分自身、周囲の女子たちに戸惑ったりドキドキしたりの日々に突入する。
さらに女子寮を統べるホーライ会の選挙で候補者に擁立され、男っぽい性格を武器に”女子寮の王子”として名家出身のオリンピアと争うことになるのだが、それが思わぬ展開に──!?
男女入れ替わり×魔法学校×タイムリープ・ストーリー!


TSもので女子寮で魔法学校でタイムリープだって!?
読み初めから外れが無いことがわかっている福袋を開けるようなワクワク感。
そんな夢のような舞台だけど、キャラクターにはリアリティがある。
状況に浮かれることなく混乱→悲壮→困惑とリアルな反応をする主人公ミムラに、女性の作家さんらしい女子寮での女の子の生態の生々しさ。特にミムラは考え方も現実的だし対女子の反応も15歳の男子相応でその普通っぽさが好印象。それに等身大の彼の視点だからこそこの世界を十分に楽しめるのかも。
ストーリーの方もタイムリープが始まる後半の盛り上がりが素晴らしい。ヒロイン?の女の子と仲良くなっていく状況とは裏腹に歪んでいく世界。タイムリープに翻弄される彼女達にドキドキと小さなニヤニヤを味わえた。
うん、とても面白かった。
今回は女子寮要素が強めだったけど、次からは男子生徒も出てくるようなので他の要素も楽しめそう。
作中はまだ一ヶ月たっただけ。期限の3年間をフルにやるかは分からないけど、この先何が起こるのかワクワクが止まらない。