いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



All You Need Is Kill

All You Need Is Kill (スーパーダッシュ文庫)

All You Need Is Kill (スーパーダッシュ文庫)

「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死。――死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する……。
はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか!?


出撃前日から出撃し戦死するまでを繰り返す、タイムループのSF戦争モノ。「よくわかる現代魔法」の桜坂洋氏の作品。
よくわかる現代魔法」と違い萌え要素皆無だけど各キャラが魅力たっぷり!
メインのケイジやリタも良いがフェレウ軍曹の渋さ、男臭さが最高!
硝煙の臭いに親父キャラ・・・実にいいね( ̄∇ ̄(_ _( ̄∇ ̄(_ _ )ウンウン
こんなに親父キャラを書くのが上手いなら「よくわかる現代魔法」でも萌えキャラばかりじゃなく、親父キャラも出してくれればいいスパイスになりそうなのに・・・
キャラの魅力もさることながら、内容の方もかなり考えられて作られている。
ケイジのループ初期の葛藤、その後の前向きになってからの心理描写や、初めは何も出来なかった初年兵が“2日”で強くなっていく過程が素晴らしく、物語に引き込まれる。でもホントにこんな状況に陥ったら気が狂うよな、普通(^^;
敵の正体やリタの過去などの情報は必要最低限だけ出して、そのさじ加減はとても「よくわかる現代魔法」を書いた人と思えないほど絶妙(ちょっと失礼かm(_ _)m)
ラストは感情的には賛否両論がありそうな内容だけど、理屈的にはあれが一番しっくりくる結末だったんだろうと思う。
とにかく面白かった。かなりオヌヌメ(・∀・)