いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

“文学少女”と飢え渇く幽霊(ゴースト)野村美月ファミ通文庫
オンライン書店ビーケーワン:“文学少女”と飢え渇く幽霊(ゴースト)

文芸部部長・天野遠子。物語を“食べちゃうくらい”愛しているこの自称“文学少女”に、後輩の井上心葉は振り回されっぱなしの毎日を送っている。そんなある日、文芸部の「恋の相談ポスト」に「憎い」「幽霊が」という文字や、謎の数字を書き連ねた紙片が投げ込まれる。文芸部への挑戦だわ! と、心葉を巻き込み調査をはじめる遠子だが、見つけた犯人は「わたし、もう死んでるの」と笑う少女で――!? コメディ風味のビター&スイートな学園ミステリー、第2弾!

ホラーでミステリ風な文学少女第2弾
今回はエミリー・ブロンテ著『嵐が丘』に準えて語られる愛憎劇。
この作品を知ってた方がさらに楽しめるんだろうけど、知らなくても問題なく楽しめる(遠子先輩が熱く説明してくれるしw)
と言うかこの作品を読んだことあってラノベ読んでる人ってほとんど居ないんじゃなかろうか?


今回も充実の読書時間をありがとうございますm(_ _)mという気持ちにさせてもらった。
この作者、人を追い込んでいくのが好きなようで(前回もそういう展開だったし)登場人物たちを心理的にどんどん追い込んでいき、ハラハラドキドキさせられる。
でもその間に遠子先輩と心葉の会話やななせの言動など各所にニヤニヤしてしまいそうな場面があり、愛憎劇のシリアス部分とのバランスが絶妙。しかも今回は遠子、ななせともデレ分増量。
また、前回張られた伏線を少しも拾わずさらに増やして行く凶悪ぶり。なんて狡猾な!w
中学の時、ななせと心葉の間に何があったのか。遠子先輩は心葉のことを家族に何と言っているのか。とか気になる気になる
題材は日本文学で行くのかと思っていたので今回は海外の作品で少し驚いたのと淡い期待が。
“学園ミステリー”なだけに海外ミステリ取り上げてくれないかな?知ってる作品に当たる確立がぐんと上がるんだけど・・・
とにかく今後も期待大。


〜感想とあまり関係ない呟き〜
1.回答が出る前に暗号を解き明かそうとしたら、読みきるのに3時間半以上かかった。
で、結果は・・・
解き明かすには例文が少なすぎたと言うか使われてる文字が少なすぎた><(負け惜しみw
あとがきをちゃんと後に読んでよかった。あんなところにネタバレが(^^;


2.作中に自分が呼んだことがある作品(「長いお別れ」)が出てくるとなんだか嬉しい
バリバリハードボイルドのレイモンド・チャンドラーの作品はどんな“味”がするんだろう?


3.P214の先輩のお姿を描いてみたいんだけど・・・ひらひらと三つ編で挫折しそう・・・