いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール米澤穂信(角川文庫)
オンライン書店ビーケーワン:愚者のエンドロール

「わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス制作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか? その方法は? だが、全ては明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!

未完の自主制作ミステリ映画の結末を推理する話。古典部シリーズ第2弾


氷菓』は打って変わって本格ミステリ風味。でも本格ミステリにしても意地でも死人は出さないぞという作者の強い意志が感じられる。誰も死なくてもミステリが出来る事をコナンくんにも教えてあげほしいねw


久々に頭を使ってみるも大ハズレ(ノ∀`) でも冒頭の文章とこの作者の作風を考えれば納得の結末だったので満足。
奉太郎の推理もそっちに行ったか・・・もっと単純に“初めにドアにたどり着いた人が開かない振りをした”と推理したんだけど・・・というか心理的トリックって単語を繰り返すからここにたどり着くものだと思ってたのに。まぁこれだとマスターキー取りに行ってる間にドアを開けようとされるとアウトだし、奉太郎同様ザイルを使わないけど。
未完の映画の続きを推理させるというやり方が新鮮でいいし、ミステリでも犯人という結論を求めるのではなくて事に至る経過を大事にするところが好きだな。



〜どうでもいいつぶやき〜
25ページの

(映画は)作品を消化するまでの時間がきっちりと決まっているのが好かないんじゃないかとは思う。

という一文に共感。映画にしろテレビドラマにしろ本と違い自分のペースで見ることができないのが嫌い。基本的に映画は観ないし(最後に映画館に行ったのはイノセンス・・・何年前だ?)テレビ(アニメ含む)も大体他の何かをしながら見てる。なんかただジーっと観てるのは時間を無駄にしてるような気分になるんだよなぁ。