いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



携帯電話俺 (ガガガ文庫 み 1-1)

携帯電話俺」水市恵(ガガガ文庫
携帯電話俺

11月のある朝、目が覚めると俺のカラダは携帯電話になっていた……!? しかもその使用者も、俺(のニセモノ?)だった!俺(携帯電話)は俺(ニセモノ?)に連れられて大学へ。しかし友人の悟や亜矢、あこがれの冴子の前であれこれしても、誰も俺の叫びにきづいてくれない。そんなとき、俺はやっと話のできるやつと出会う。それは“ザム”と名乗る、しゃべるカブトムシ――。ザムの正体は? いったい誰が何のためにこんなことを? はたして俺は、もとのカラダに戻れるのだろうか?


面白かった・・・・・・前半は。
前半は自分自身の恋路を携帯電話から第三者視点で客観的に見るという構図と、ライトノベルとしては珍しい大学生達の恋模様というのが新鮮で良かった。
しかし、後半“魔術”が出てきてからは一変。携帯電話に人の意識が入った結論としての魔術という答えはいいとしても、なぜそれを使って戦ってしまうのかと。この内容で戦闘シーンを入れる必然性を全く感じない。それに後半は会話が読みにくい。ダイチ(携帯電話)が考えたことが魔術師には全部伝わる設定になっているのはいいが、「」外の文章すべて、読者に対する説明のような文章にも反応するのには違和感を感じる。頭の中で記述用の文章で思考してる人なんていないだろうから小説用に変換してるのだとは思うが、これで会話を成立させるのは流石に無理があったのでは? ダイチの思考は『』で囲むとか、携帯電話なんだからディスプレイに文字を表示して会話してもよかったと思うのだが。


前半の流れのまま行ってくれればよかったのに。オチつけるのは大変そうだけど。