いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



彩乃ちゃんのお告げ

「彩乃ちゃんのお告げ」橋本紡講談社
彩乃ちゃんのお告げ

素朴で真面目で礼儀正しくて。
一見ふつうの5年生だけど彩乃ちゃんには、見えている。
周りの人のちょっとした未来。
うまくいかない相手と仲良くする方法。
幸運をよぶ少女と迷える人たちのひと夏のできごと。


橋本先生らしい雰囲気が帰ってきた!ヽ(´▽`)ノ


小学生にしてとある教団の教主様で未来が見えてしまう彩乃ちゃんをめぐるお話。物語は各話の主人公である彩乃ちゃんと関わる人物の目線で語られる。
各話の主人公たちは何らかの問題を抱えているのだけど、それが仕事や恋など小さな悩みや漠然とした不安といった誰でも持っているもの。これが非常に共感しやすい。そしてそれを彩乃ちゃんのちょっとした行動や一言で解決された時に、何ともいえない爽快感が味わえる。
読んでいるだけでほんのちょっと幸せを分けてもらえたようで、心が温かくなる心地のいい読後感だった。それにここ2作品ほど今までの雰囲気とは違っていたので戸惑ったけど、今回はいつものやさしい雰囲気が味わえて大満足。