いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



死神ナッツと絶交デイズ (MF文庫J)

「死神ナッツと絶好デイズ」早矢塚かつやMF文庫J
死神ナッツと絶交デイズ (MF文庫 J は 4-2)

小石川幌右は妹衣沙と二人暮らしの平凡な高校生。ホローは毎夜、無人の学校に忍び込み、教室に現れる少女・死神ウォルナッツと無駄話をして楽しんでいる。そんなホローの身の回りは、最近やけに騒がしい。“未来を夢見る”クラスメイトの嘉島詩夏、詩夏のだいしんゆーである通称“絶交少女”星澄夜空。できたばかりの仲良しグループで過ごすそれなりに楽しい毎日、変わることのない日常。平凡で平均で平穏な、17歳の夏を迎えるはずだった。それがまさか、こんなことが起こるなんて――。詩夏と夜空、二人のちょっと変わった女の子のうち、どちらを選ぶ? これはそんなオイシイ話なんかじゃない、二人の命がかかってるんだ!

普通の少年と未来が見える少女と人の心の声が聞けた少女が織りなすタイムリープもの(もしくはパラレルワールドもの)


これはいい青春ストーリー。
話自体は色々と変わっているが、メインの3人(ホロー、詩夏、夜空)が普通っぽいのがいい。
まず主人公(ホロー)にアクがないからか、読みやすくスッと頭に入ってくる。ゲームにしろ本にしろ主人公の個性を楽しむのもいいけど、主人公の個性が薄いと自己投影や感情移入して物語に入り込めるのがいい。
また詩夏と夜空のヒロインズも、特殊な能力を持ちながらも普通の高校生という雰囲気と優しさあって、こちらも感情移入しやすい。
そんな3人がバッドエンドにしないために足掻く姿に、読んでるこちらもホローと一緒に手に汗握ったり、ヤキモキしたり、ホッとしたりしてしまう。
諸設定には少しツッコミたくなるところがあるが、青春ものとしてはとても好きな作品。


ところで「悠久展望台のカイ」はあれで終わりなの?