いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



ブルースカイ・シンドローム (トクマ・ノベルズEdge)

「ブルースカイ・シンドローム一の倉裕一トクマ・ノベルズEdge
ブルースカイ・シンドローム (TOKUMA NOVELS Edge)

人類が地球上で滅亡して三十年後。人類はわずかに宇宙空間のコロニーで生き残っていた。コロニーで生まれ育った少年ロンは、6歳になって、幼なじみの少女シレンとともに地球に行くが、空を見たシレンは発作をおこしてしまう。二度と空を見ることが出来ないシレンに、ロンは自分も地球に行かないと約束した…。あれから11年、ロンは地球への思いが強くなる。しかし、あの日シレンと交わした約束がそれを躊躇させる…。トクマ・ノベルズEdge新人賞受賞作!!

↑背表紙に書いてあるあらすじよりHPのあらすじの方が分かりやすそうだったのでHPのものを選択


世界観もキャラも悪くないけど、臨場感がないというか表面だけで奥行きがないというか・・・
とにかく諸々説明不足。コロニーや滅びた地球等よくあるSF設定は脳内補完出来るので別に構わないが、独自の設定やキャラまでも簡単な説明でさらっと流してしまうので、
・序盤はキャラの把握に苦労する。
シレンの頭脳の凄さが実感できない(シレン作った腕輪の含む)
・敵である『生存者』の姿があまりに朧気。
・ロンがピンチになった時の緊迫感があまり伝わってこない。
などなど色々と問題が。
そのせいかSFなのに彼女の生霊憑き主人公(厳密には違う)に姿の見えない敵と、随分オカルトチックな話に見えてしまった。
キャラが把握できた後のロンとシレンのやり取りや大胆なストーリー展開など面白いところは多くあっただけにもったいない。上下段とはいえまだ260ページなのだから、もう少し肉付けしても良かったのでは?